簿記1級における誤謬訂正の手続きと影響額の計算方法

簿記

簿記1級では、誤謬の訂正が重要な会計処理の一部となります。特に、のれんの償却に関する誤謬訂正は、簿記を学ぶ上で避けては通れない課題です。今回の記事では、のれんの償却額に関する誤謬を訂正する際の手続きと、その影響額の計算方法について解説します。

1. 誤謬訂正とは?

誤謬訂正とは、過去の会計処理に誤りがあった場合、その誤りを訂正する処理のことです。会計基準に従って、誤謬を訂正する際には、影響を受けた期に対して適切な修正を行う必要があります。

例えば、のれんの償却が誤って計算されていた場合、その誤りを訂正することで、財務諸表が正確に反映されることが求められます。

2. のれん償却の誤謬訂正の具体例

質問にあったように、のれん償却額が100としていたために発生した誤謬を訂正する場合、具体的な訂正手順は以下のようになります。

誤謬訂正を行うには、まず「前々期末」に遡って訂正を行います。具体的には、誤って100の償却額を計上していた部分を訂正し、その影響を繰越利益剰余金やDTA(繰延税金資産)に反映させます。

3. 累積的影響額と当期変動額の計算方法

訂正後の金額は、以下のように累積的影響額と当期変動額として分けて計算します。

・前々期末では、のれん償却+100、DTA+40、繰越利益剰余金+60の訂正が行われます。

・前期末では、同様にのれん償却+100、DTA+40、繰越利益剰余金+60の訂正が反映されます。

これにより、前期末の株主資本等変動計算書では累積的影響額として+60が計上され、当期変動額としても+60が計上されることになります。

4. 株主資本等変動計算書への影響

誤謬訂正の影響を受けるのは、株主資本等変動計算書の繰越利益剰余金の欄です。この訂正を行うことで、財務諸表に正しい累積的影響が反映され、株主資本等の変動が適切に示されます。

特に、繰越利益剰余金に計上する累積的影響額は、過去の誤謬による訂正がどれほど重要かを示す指標となります。

まとめ:誤謬訂正を正しく行うことの重要性

誤謬訂正は簿記において非常に重要な処理であり、正しい財務諸表を作成するためには欠かせません。今回の例のように、のれん償却額に関する誤謬を訂正する際には、その影響額を正確に計算し、財務諸表に適切に反映させることが必要です。誤謬訂正の手順を正確に理解し、実務に活かすことが求められます。

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