簿記2級の試験において、退職給付に関連する問題はよく出題されます。特に、退職給付引当金の計上や退職一時金の支払い処理に関しては、混乱しやすい部分です。この記事では、退職給付引当金の計上方法や、退職一時金の支払い時における会計処理について詳しく解説します。
退職給付引当金とは？
退職給付引当金は、企業が従業員に対して将来支払うべき退職金の金額を見積もり、決算時に計上する負債です。通常、退職給付引当金は退職給付に必要な金額が計算され、当期の費用として計上されます。具体的には、退職給付が当期に対応する金額を引当金として計上します。
問題の「問2」のケースでは、当期の退職給付に対応する金額として75,600円が計算され、その金額を引当金に計上することになります。この場合、75,600円が当期の退職給付にかかる引当金として処理されます。
退職一時金の支払いとその会計処理
退職一時金は、従業員が退職した際に支払われる一時的な金銭であり、通常は退職金制度に基づいて支払われます。この場合、従業員の退職により実際に支払われる金額は、退職給付引当金とは異なります。
「問6」のケースでは、退職一時金総額として210,000円が支払われ、その際に源泉所得税31,500円が控除されます。この場合、退職一時金の支払いは退職給付引当金の残高から充当されますが、支払われる総額が210,000円であるため、引当金として計上する金額もその額になります。
引当金と支払金額の違い
質問者が疑問に思っている点は、引当金が「75,600円ではなく210,000円が計上される理由」です。実際、問題2で計算された退職給付引当金（75,600円）は、当期の費用として計上された金額です。しかし、翌期に支払われる退職一時金は、退職給付引当金とは異なる項目として処理されます。
支払いに際して、退職給付引当金の残高から退職一時金の支払額である210,000円を充当することになります。これにより、退職給付引当金の残高が減少し、支払われた退職一時金の金額が計上されます。
源泉所得税の控除処理
退職一時金を支払う際には、源泉所得税が控除されます。この源泉所得税分（31,500円）は、当座預金から支払われます。これにより、当座預金から支払われる金額は178,500円となります。
源泉所得税分を控除した後の金額が実際の支払額となり、この金額が当座預金から出金されます。会計処理としては、預り金（源泉所得税分）と当座預金が減少します。
まとめ
退職給付引当金の計上と退職一時金の支払い処理は、簿記においてよく出題されるポイントです。引当金の計上は当期の費用に関連し、退職一時金の支払いは実際に発生した支払いとして処理されます。引当金の金額が異なる理由は、当期の費用として計上された金額と実際の支払い金額が異なるためです。簿記2級の試験対策として、これらの処理の違いを理解しておくことが重要です。
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