連結財務諸表において、支配が継続する売却と支配が継続しない売却に関する売却損益の処理方法には違いがあります。この違いは、売却後のグループ内取引の処理に関わる重要な論点です。この記事では、なぜ支配が継続するかしないかで売却損益の消去が必要か、または修正が必要かについて詳しく解説します。
支配が継続する売却と支配が継続しない売却
まず、支配が継続する売却とは、売却後も売却した子会社に対して親会社が支配権を保持している場合を指します。例えば、親会社が子会社の株式の一部を売却し、その結果として支配を失わない場合です。これに対して、支配が継続しない売却は、売却後に親会社が子会社の支配権を完全に失う場合です。
売却損益の消去と修正の違い
支配が継続する売却では、売却損益を消去することが求められます。これは、親子会社間の取引による利益がグループ全体にとって意味を持たないためです。消去を行うことで、グループ内の利益が財務諸表に反映されないようにします。一方、支配が継続しない売却では、売却損益を修正する必要があります。これは、支配を失った場合、もはやグループ内取引として消去する必要がなく、売却によって生じた利益や損失を財務諸表に反映させるからです。
なぜ売却損益の消去だけで済むのか?
支配が継続する売却の場合、親会社と子会社は依然として同じグループ内の一部であり、グループ内で発生する取引から生じた損益は外部に対して意味を持たないため、消去が必要です。消去により、グループ全体としての正確な財務状態を反映することができます。
支配が継続しない売却で売却損益を修正する理由
支配が継続しない売却の場合、親会社が子会社に対して支配権を失うため、グループ内取引として処理されなくなります。このため、売却損益を修正して、外部に対する取引として反映させる必要が生じます。修正は、売却の結果として発生した実際の損益を財務諸表に正確に反映させるための手続きです。
まとめ
連結財務諸表において、支配が継続する売却と支配が継続しない売却では、売却損益の消去または修正の処理が異なります。支配が継続する場合には、グループ内取引からの利益や損失を消去し、支配が継続しない場合には、売却損益を財務諸表に修正して反映させることが求められます。この区別を理解することで、連結財務諸表の作成における正しい処理が可能となります。


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