入札積算では、予定価格に対して直接工事費や共通費がどのように計算されるかが重要です。特に、共通費が不明な場合や、最低価格がどれくらいになるのかという疑問が生じることがあります。この記事では、電気設備改修工事を例にとり、予定価格と直接工事費に基づく共通費および最低価格の計算方法について解説します。
入札積算における共通費とは
入札積算において「共通費」とは、直接工事費に含まれないが、工事全体に関連する費用を指します。例えば、管理費、事務所経費、安全対策費、現場経費などが該当します。これらは工事を遂行するために必要不可欠ですが、直接工事費とは別に計上されます。
共通費は通常、全体の工事費用の一定割合として設定されることが多いですが、工事の種類や規模に応じて異なるため、具体的な計算は工事の詳細に基づいて行う必要があります。
電気設備改修工事の例:共通費と最低価格の計算方法
今回は、予定価格1,890,000円、直接工事費1,157,387円の電気設備改修工事を例に、共通費と最低価格の計算方法を説明します。まず、共通費の計算は以下の手順で行います。
1. 予定価格から直接工事費を引きます。
予定価格:1,890,000円
直接工事費:1,157,387円
差額(共通費):1,890,000円 – 1,157,387円 = 732,613円
次に、共通費の割合を求めます。共通費は、通常、予定価格に対する比率で設定されます。この場合、共通費の比率は次のように計算できます。
共通費比率 = 共通費 ÷ 予定価格 = 732,613円 ÷ 1,890,000円 ≈ 38.8%
補正率を考慮した最低価格の設定
最低価格を設定する場合、共通費の比率を基にした補正率が重要です。補正率を考慮することで、予定価格を超えない範囲で最低価格を決定します。通常、補正率は入札者がどれだけ効率的に工事を進められるかを反映するため、業界や市場の状況に応じて調整されます。
ここでは、補正率を適用した最低価格を簡単に求める方法を示します。仮に補正率が95%の場合、最低価格は次のように計算できます。
最低価格 = 予定価格 × 補正率 = 1,890,000円 × 95% = 1,795,500円
予定価格が適正かどうかの判断
質問者の疑問にあるように、予定価格が適正かどうかは工事の内容や市場の状況によって判断されます。もし共通費の比率が高すぎる場合や、補正率を適用しても最低価格が極端に低くなる場合、予定価格が適正でない可能性があります。
そのため、予定価格を適正に設定するためには、直接工事費や共通費だけでなく、競争環境や過去の入札結果などを考慮することが重要です。また、入札者が適切な価格で工事を行えるようにするためには、価格の設定に柔軟性を持たせる必要があります。
まとめ:入札積算における価格設定のポイント
入札積算では、予定価格、直接工事費、共通費の計算が重要です。共通費の割合や補正率を考慮することで、適正な価格設定を行い、最低価格を導き出すことができます。また、予定価格が適正でないと感じる場合は、工事の詳細や市場の状況を再評価し、価格の見直しが必要な場合もあります。
入札積算は工事の計画段階で非常に重要な要素となるため、しっかりとした計算と柔軟な対応が求められます。これらのポイントを押さえながら、適正な価格設定を行いましょう。


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