市役所の社会人採用試験で、一次面接を通過し、次に控える「最終（個人）面接＋論文試験」。特に技術系（電気・土木・建築）職では、「役所の部長クラス面接官」「政策・技術テーマの論文60分」という構成が多く、学生とは異なる“社会人採用ならでは”の対策が必要です。本記事では、面接官構成の想定、論文試験の出題傾向、社会人受験者が押さえておくべきポイントを整理します。
面接官は誰？想定される構成と立ち位置
社会人採用の最終面接では、応募先自治体の各部署長・部長級が面接官として揃うことがあります。これは、技術職・総合職問わず、実務・マネジメント・課題対応力を見極めるためです。([参照])
例えば「電気・土木・建築」という技術系職種を同時募集していた場合、各部長レベル（施設管理部長・技術管理部長・総務部長など）が面接官として参加し、それぞれ部署横断的な視点で「即戦力・調整力・課題対応力」をチェックする可能性があります。
“一次面接が部長級だった”ということは、最終ではさらに上位（常勤監査・市長直下部門など）や複数部長の合同面接／論文試験という流れも想定されます。
面接で問われやすいテーマ・質問と社会人ならではの回答準備
技術系社会人採用面接では、次のような質問が典型的です。
- 「今までの実務（前職・前々職）で最も困難だった技術課題と、その解決策を教えてください」
- 「本職で『部署横断的な協働』が必要になる場面がありますが、あなたが市役所でどう動けるか教えて下さい」
- 「電気・土木・建築の中でも、どの分野に関心がありますか？その理由と市役所でどう活かしますか」
準備のポイントは、①自らのスキル・実務経験を「市役所の技術課題（維持管理・設備更新・省エネ・災害対策など）」にどう結びつけるか、②部署長が聴きたい「調整力・住民対応・コスト意識・行政視点」を自分の経験で語れるか、という点です。
例えば、前職で光学／ソフトウェアを経験していたとしたら、「センシング技術を電気設備の監視に応用できる」「省エネ・設備最適化という視点で庁舎の電気更新に貢献できる」といった具体例を準備しておくと有効です。
論文試験（60分）出題傾向と書き方のポイント
社会人枠の市役所採用では、論文試験が「政策テーマ・技術テーマ・住民対応テーマ」などで出ることが多く、60分という時間制限下で「現状分析→課題抽出→対応策提示」という構成が基本とされています。([参照])
対策としては、〈起承転結〉ではなく、〈①現状・背景／②課題・原因／③解決策／④自分がどう動くか〉という4構成を意識すると論旨が明確になります。([参照])
実例：『市庁舎電気設備の老朽化と災害時の停電リスク』を題材に、①背景（設備年数・災害頻発）②課題（省エネ・停電リスク・コスト）③解決策（設備モニタリング・センシング導入・予防保全）④自分の貢献（前職のセンサー開発経験を活かしプロジェクトリーダーとして動く）という構成で書くと評価されやすいです。
最終面接・論文で意識すべき社会人受験者ならではの３つの差別化ポイント
社会人枠の受験で合格を狙うためには、「学生枠とは異なる視点」が求められます。次の３つを特に意識してください。
- 即戦力・過去実務経験の活用：前職での技術・設備・プロジェクト経験を、市役所技術職にどう活かすかを語れること。
- 部署横断・調整力の軽さ：部長級面接官は「技術だけでなく住民・他部署・コスト・調整」を見るため、自部署だけで完結する視点では評価されにくいです。
- 行政視点・市民視点の理解：「民間でのやり方がそのまま使える」という思考ではなく、「公的責任・公平性・公共価値」を理解・応答できることが重要です。([参照])
まとめ：面接屋論文を一貫させて“社会人技術職”として魅せる準備を
最終面接・論文試験を控えた技術系社会人採用では、「どの部長が面接官でも自信を持って語れる」「60分論文で論旨が明確に伝えられる」ことが合格の鍵です。部署長クラスが面接官になるということは、それだけ「将来を見据えた採用」であり、あなたの経験・ビジョンを明確に示すチャンスと捉えましょう。
一次通過後という順調なステップを踏んでいる今こそ、面接官構成・出題傾向・答案構成という３軸で“勝てる準備”を整え、最終ステージに備えてください。
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