令和7年の行政書士試験を受けた方々にとって、記述問題の採点は非常に気になる部分だと思います。自己採点で160点を取ったものの、記述で後20点が必要だと感じている方に向けて、記述問題の採点ポイントや改善方法を解説します。
行政書士試験の記述問題の採点基準
記述問題では、答えの正確さだけでなく、法的な論理や論述力も重要な評価基準となります。たとえば、質問の内容に対して、正確に法的要件を記載できるか、法的な結論を明確に導けるかが採点のポイントとなります。
具体的には、条文を正確に引用し、法律の趣旨を踏まえた上での解答が求められます。採点者はあなたの解答が法的に妥当かつ論理的であるかを厳しく見ています。
問44: 裁決の取消しの訴えについて
問44では、裁決固有の瑕疵に関する問題です。ここで重要なのは、裁決が瑕疵を持っている場合、その裁決に対する訴訟提起が可能であることを明確に記述することです。
予備校の正答例では、「裁決固有の瑕疵であることを主張し、Y市を被告として裁決取消しの訴えを提起する」とあります。これに対し、あなたの解答は「瑕疵が裁決固有のものであり、XはY市を被告として裁決取消訴訟を提起すべき」と記載していますが、この場合、主張と結論の明確さが不足しているため、少し説明を加えた方が良いでしょう。
問45: 夫婦契約の範囲について
問45では、契約が夫婦に関する法律行為の範囲内に含まれるか否かを問う問題です。解答には、「正当な理由がある」というポイントを正確に述べる必要があります。
予備校の正答例では、「本件契約がABの日常の家事に関する法律行為の範囲内に属すると信ずる正当な理由があるとき」と記載されています。あなたの解答は「本件契約が夫婦に関する法律行為の範囲内であると、Cが信じるにつき正当な理由がある場合」となっていますが、この場合、夫婦に関する法律行為の範囲に関してもう少し具体的に事例を挙げて説明を加えると、より理解が深まります。
問46: 事務管理者の義務について
問46では、事務管理者の管理継続義務についての問題です。解答には、事務管理者がその義務をどう継続するか、そして費用償還について明確に記述することが求められます。
予備校の正答例では、「事務管理者の管理継続義務に基づき継続し、Bのために有益な費用としてその償還を請求する」と記載されています。あなたの解答は「事務管理に基づき継続しなければならず、Bにとって有益であるものとして有益費償還請求できる」となっていますが、ここでは「請求する」という表現が少し弱いため、「請求する義務がある」といった表現を使用すると、より正確な解答となります。
記述問題の改善ポイント
記述問題の採点において重要なのは、答えが法的に正確であることはもちろん、論理的に一貫しているかどうかも大きなポイントです。試験では、解答内容が正確であるだけではなく、論理的に構成された回答を求められます。自分の考えを明確に表現し、結論に至るまでの論理展開をしっかりと示すことが大切です。
まとめ: 記述問題の採点と改善策
行政書士試験の記述問題では、単なる知識を問うだけでなく、法律的な論理を展開し、結論に至る過程をしっかりと書くことが重要です。記述の際は、予備校の正答例を参考にしつつ、法的要件を正確に押さえ、さらに自分の解答に論理的な構成を加えていきましょう。これにより、試験で求められる内容に近づき、合格の可能性を高めることができます。


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