繰越欠損金の解消方法と試算の進め方

会計、経理、財務

繰越欠損金の解消方法について、特に中小企業の場合は税制上の控除限度や、試算の進め方が重要です。今回は、繰越欠損金の解消についての計算方法と、社長からの質問にどのように答えるべきかを解説します。

1. 繰越欠損金とは?

繰越欠損金とは、過去に発生した欠損金(損失)を、将来の利益と相殺して税金を軽減するための仕組みです。中小企業の場合、繰越欠損金は最大で100%控除することができます。これにより、今期の利益から繰越欠損金を控除し、課税所得を減らすことが可能です。

2. 繰越欠損金の解消の試算方法

繰越欠損金の解消額は、今期の当期純利益(当期純損益)の金額に基づいて計算できます。試算表の当期純利益を見れば、その金額に相当する繰越欠損金を解消できるかどうかが分かります。

例えば、繰越欠損金が5000万円で、今期の利益が5000万円であれば、繰越欠損金が全額解消されることになります。しかし、利益が不足している場合は、解消される金額もそれに応じて減少します。

3. 控除限度100%の中小企業の場合

中小企業の場合、繰越欠損金の控除限度は100%です。そのため、利益が発生した場合、その利益全額に対して繰越欠損金を充当することができます。ただし、注意点として、繰越欠損金が全額控除されるかどうかは、当期の利益がその金額に達しているかどうかに依存します。

そのため、現時点での黒字見込みに対して、繰越欠損金をどれだけ解消できるかを正確に試算するためには、今期の予想利益額を把握することが必要です。

4. 社長への報告方法

社長から「繰越欠損金がどれくらい解消できるか」と問われた場合、試算表の当期純利益(当期純損益)の金額をもとに、その額を伝えることが重要です。計算式や詳細な数値を含めることで、報告が具体的で分かりやすくなります。

なお、決算に関して税理士事務所が関与している場合は、最終的な計算結果や税額は税理士に確認してもらう必要がありますが、経理担当者としては、まず試算表の情報を基に見込み額を伝えることが求められます。

まとめ

繰越欠損金の解消は、今期の利益に基づいて計算されるため、まず試算表の当期純利益を確認することが重要です。中小企業は控除限度が100%であるため、利益に応じて全額解消が可能ですが、利益が足りない場合は解消額も減少します。社長には、現在の黒字見込み額を基に解消可能な繰越欠損金額を報告し、税理士に最終確認を行うと良いでしょう。

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