マンション管理士の試験において、仕訳の問題は実務においても非常に重要なポイントです。今回は「発生主義の原則」に基づいて、仕訳を行う際のポイントと解説を行います。特に、管理委託費に関連する問題を取り上げ、実際の解答例を元に詳しく解説します。
1. 発生主義の原則とは
発生主義とは、収益や費用を実際に発生した時点で計上する会計の原則です。これにより、現金の受け渡しが行われていない場合でも、取引が発生した時点で仕訳が必要となります。特に、支払いが翌月に行われる場合でも、管理委託費などの費用は発生した時点で計上しなければなりません。
例えば、令和5年2月に支払われる管理委託費についても、2月分の費用として仕訳を行うことが求められます。
2. 仕訳問題の解説
問題文に記載されている通り、令和5年2月に支払った管理委託費は、3月分も含めて支払われたという点が重要です。発生主義を採用する場合、実際に発生した月の費用を計上する必要があり、3月分の費用も支払い時点で計上する必要があります。
問題に挙げられている仕訳の例は次の通りです。
借方:管理委託費 165,000円 / 貸方:前払金 800,000円・現金預金 850,000円
3. 解答例の適切性
問題文の仕訳は不適切とされています。その理由は、3月分の管理委託費が支払われる前に、すでに費用として計上されていないといけないためです。実際には、3月分の費用を3月に計上することが求められます。このため、支払日が2月であっても、2月分と3月分の費用は分けて仕訳をするべきです。
4. 仕訳の正しい方法
正しい仕訳方法としては、次のように記録することが推奨されます。
2月分:借方:管理委託費 80,000円 / 貸方:現金預金 80,000円
3月分:借方:管理委託費 85,000円 / 貸方:現金預金 85,000円
この方法で、発生主義に基づいた正しい仕訳が行われます。
5. まとめ
仕訳問題は、実務においても頻繁に登場する重要な部分です。特に発生主義をしっかりと理解し、実際に発生した月に基づいて費用を計上することが求められます。今回の問題のように、支払いが翌月に行われる場合でも、発生した月の費用を計上することが正しい会計処理となります。
試験の際は、仕訳のルールをしっかり理解し、実際の業務に即した方法で解答できるように準備しましょう。


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