簿記3級の仕訳に関する質問でよくあるのが、前受家賃と当座預金の関連です。質問者の例では、物件Bに対する向こう1年分の家賃が当座預金口座に振り込まれ、仕訳の仕方について迷っているとのことです。具体的には、前受家賃と当座預金の勘定科目をどのように記入するかが問題です。
1. 仕訳の基本的な理解
まず、簿記における「前受家賃」とは、将来の期間に対する家賃を事前に受け取った場合に使用される科目です。つまり、まだサービスを提供していないのに家賃を受け取っている状態です。一方、「当座預金」は、企業の銀行口座で即座に引き出しが可能な預金を示す科目です。
このように、家賃を前もって受け取った場合、その受け取り額は「前受家賃」という負債に記入され、まだサービスを提供していないため、現金ではなく預金として管理されます。
2. 具体的な仕訳例
質問者が示すケースでは、物件Bの家賃(1か月分が¥156,000)が振り込まれています。もし、1年分を受け取った場合、合計金額は¥1,872,000になります。この場合の仕訳は、次のように記入します。
当座預金 1,872,000 / 前受家賃 1,872,000
ここでは、現金として振り込まれた金額が当座預金口座に記入され、同時にその金額は前受家賃という負債に分類されます。なぜなら、サービスがまだ提供されていないため、家賃はまだ収益として認識されないからです。
3. 質問者の誤解に対する解説
質問者が提案した仕訳「当座預金 1,872,000 / 前受家賃 1,872,000」は実際には正しい仕訳方法です。最初に受け取った金額が前受家賃として計上され、その後、サービスを提供した月にその金額を収益として計上します。誤解されがちなのは、家賃を「収益」として即座に計上する点ですが、実際にはサービス提供前なので「前受家賃」として処理する必要があります。
4. 仕訳処理における注意点
仕訳を行う際には、収益の計上タイミングに注意が必要です。例えば、受け取った家賃がすでにサービス提供前である場合、その額はまだ「前受家賃」として扱います。しかし、1か月が経過した時点でサービスを提供したことになりますので、翌月にはその分を「前受家賃」から「収益」に移し替える必要があります。
このような流れをしっかりと把握しておくことが、簿記3級に合格するためには重要です。
まとめ
簿記3級の「前受家賃」と「当座預金」に関する仕訳は、基本的な理解をしていれば難しくありません。重要なのは、家賃が前受けとなる場合は「前受家賃」を使い、サービス提供が終わった後に収益として計上することです。質問者が提案した仕訳は正しく、あとは実際にサービス提供を開始した後の手続きに注意して対応すれば問題ありません。


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