建築設備士試験における空調設備の発生騒音に関する問題は、設備の設計や運用において非常に重要です。特にダクトの音の伝搬やエルボ部分の音の減衰についての理解は、試験対策にもなります。ここでは、質問の内容を基に、選択肢ごとの解説を行います。
問題内容と選択肢の解説
問題は、空調設備における騒音の発生とその減衰について問われており、選択肢は以下のようになっています。
- ダクト内を伝搬してきた騒音のダクト開口端反射による減衰量は、同一ダクトの場合、騒音の周波数が高いほど、大きくなる。
- A特性音圧レベルは、騒音の影響を評価するために、人間の聴感に基づいて重み付けされた騒音レベルであり、室内騒音の評価や設備機器等による環境騒音の規制等に用いられている。
- ダクト曲管部における音の自然減衰量は、「曲率を有するエルボ(ラウンドエルボ)」より「曲率を付けない角形(突付け)エルボ」のほうがやや大きい。
- 曲率を付けない角形(突付け)エルボは、エルボの断面寸法を大きくすれば、低周波数域の音も減衰させることができる。
選択肢ごとの詳細解説
1. ダクト内を伝搬してきた騒音のダクト開口端反射による減衰量
騒音の減衰は、周波数が高いほど減衰量が大きいとされています。高い周波数の音波は、低い周波数の音波に比べて減衰しやすいため、この選択肢は正しい内容です。
2. A特性音圧レベルについて
A特性音圧レベルは、人間の耳の聴感に基づいた評価を行うため、室内騒音や環境騒音の規制に用いられる重要な指標です。この選択肢も正しい内容となります。
3. ダクト曲管部における音の自然減衰量
「曲率を有するエルボ(ラウンドエルボ)」の方が、曲率を付けない角形エルボより音の減衰が大きいというのが一般的な理解です。したがって、この選択肢は誤りです。
4. 曲率を付けない角形エルボの音の減衰について
曲率を付けない角形エルボでは、エルボの断面寸法を大きくすると低周波数帯の音を減衰させる効果があります。この記述は正しい内容です。
最も不適当な選択肢
最も不適当な選択肢は、「ダクト曲管部における音の自然減衰量は、『曲率を有するエルボ(ラウンドエルボ)』より『曲率を付けない角形(突付け)エルボ』のほうがやや大きい。」という選択肢です。実際には、曲率を有するエルボの方が音の減衰量は大きくなるため、この記述は誤りとなります。
まとめ
建築設備士試験では、空調設備における騒音の減衰や音圧レベルに関する問題が出題されます。試験対策として、ダクト内の騒音伝搬やエルボの音減衰の知識をしっかりと身につけることが大切です。選択肢ごとの理解を深め、試験に臨みましょう。


コメント