電験1種二次試験：同期機の「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」の意味と理解

電験1種の二次試験における「同期機」の問題でよく目にするフレーズ、「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」という文言。これはどのような意味を持っているのでしょうか？今回は、このフレーズが示す意味と、それが試験問題にどのように関わってくるのかを解説します。

1. 「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」の意味

「自己定格容量」とは、同期機（発電機やモーターなど）が定格運転を行う際の最大出力容量を指します。同様に、「自己定格電圧」はその機器が定格運転を行う際の標準的な電圧を意味します。この文言は、試験で「定格値に基づいて計算を行いなさい」という指示がある際に非常に重要となります。

具体的には、このフレーズが指すのは、計算を行う際に同期機の性能を定格の条件（定格容量、定格電圧）を基準として、他の値を求めるということです。特に、定格値に基づいて値を導出することで、機器の性能を標準化し、比較可能にするために用いられます。

例えば、同期機の出力電力や誘起電流を求める問題が出題される場合、問題文に「自己定格容量及び自己定格電圧を基準にして計算せよ」と記載があれば、その計算は全て定格値を基準として行う必要があります。定格値を基にすることで、理論的な計算が実際の運転条件と一致することになります。

また、磁気飽和や負荷の変動などの影響を無視する場合もあります。これにより、機械的な特性や負荷変動が考慮されず、定格値に基づいた理論的な計算が可能となるのです。

「磁気飽和を無視する」とは、磁場が飽和状態に達することを無視して計算を行うという意味です。磁気飽和が無視されると、界磁電流と無負荷誘導起電力との間に比例関係が成り立つと考えます。

これと同様に、「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」という指示も、試験問題で求められる「理論的な計算」を基準としており、現実の複雑な条件（例えば、負荷の影響、飽和など）を無視して簡略化した計算を行うことになります。

試験問題で「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」と記載されている場合、まずは問題に出された定格値（容量や電圧）を基準に計算を始め、その値を基に他の求める値を算出するというアプローチをとります。試験の設問が理論的な計算を求めている場合、この基準を遵守することが重要です。

また、定格値に基づく計算は、通常、標準的な条件下での評価を行うため、実際の運転条件が異なる場合に備えて、問題文に与えられた条件（負荷、回転数など）を正確に確認することが求められます。

「自己定格容量及び自己定格電圧を基準とする」というフレーズは、電験1種の二次試験において非常に重要な指示となります。この基準を守ることで、試験問題に対する適切なアプローチを取ることができ、定格値に基づいた理論的な計算を行うことができます。

試験では実際の機械や負荷の状態に関する情報はほとんど与えられないため、問題文に出された「定格値」を基に計算を進めることが重要です。これにより、必要な値を計算し、理論的に正しい解答を導き出すことができます。