個人事業主が行う減価償却と売却益の計算は少し複雑に思えるかもしれませんが、適切に理解すれば難しくはありません。特に、中古車の売却時における簿価の計算と利益計上について詳しく解説します。実際の例を使って、どのように計算を行うか、また仕訳についても説明します。
1. 減価償却とは?
減価償却は、固定資産が経年劣化により価値を減少させることを会計上反映させるための仕組みです。例えば、車などの高価な物品を購入した場合、その価値が年々減少するため、その減少分を経費として計上することで税金の負担を軽減することができます。
減価償却の方法としては、定額法や定率法などがあり、今回は定額法で計算する前提で解説します。定額法では毎年一定額の償却費が計上されます。
2. 車両の減価償却の計算方法
今回の例では、2022年9月に購入した2年落ちの中古車を使用しています。購入金額は400万円で、年間100万円の減価償却を行い、2022年分は3ヶ月分で30万円を計上しています。2023年と2024年にはそれぞれ100万円ずつの減価償却が行われました。
したがって、2025年分は減価償却が行われないため、2024年末時点での償却済額は230万円となり、残りの簿価は170万円です。
3. 売却益の計算
車両の売却価格は300万円であり、減価償却後の簿価は170万円です。売却価格300万円との差額は130万円となります。この差額は利益として計上しますが、家事按分50%が適用されている場合、実際の利益は65万円です。
計算式としては以下のようになります。
売却価格300万円 - 簿価170万円 = 130万円の利益
家事按分50%:130万円 × 50% = 65万円
4. 仕訳の方法
売却による利益の計上は、仕訳として以下のように行います。
| 借方 | 貸方 |
| 現金300万円 | 車両170万円 |
| 売却益65万円 | 売却益65万円 |
この仕訳により、売却価格と減価償却後の簿価との差額(利益)が計上されます。
5. まとめ
減価償却を行い、車両を売却した場合、その簿価と売却価格との差額が利益となります。家事按分が適用される場合、その分だけ利益が減少することに留意してください。仕訳も適切に行い、利益を正しく計上することが重要です。


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