なぜ印紙にはシール式の糊がないのか？その理由と実際の利用方法

印紙に関して、郵便切手のようにシール状の糊があれば便利だと感じる場面も多いでしょう。しかし、実際のところ、印紙の裏面にはシール状の糊がない理由は一体何なのでしょうか？この記事では、その理由と印紙を活用する際の注意点を解説します。

印紙にシール式糊がない理由とは？

郵便切手と異なり、印紙にはシール状の糊がついていないのは、主にその取り扱いや法的な観点からきています。印紙は、契約書や証書などに貼付することで、課税や法的効力を示すためのものであり、印紙が不正に転売されることや、再利用されることを防ぐため、糊がシール状ではなく、湿らせて貼るタイプにされています。

シール状の糊を使うと、印紙が貼られた証書や契約書を容易に剥がして再利用される危険があるため、現在のように湿らせて貼るタイプが採用されているのです。

顧客先で突然支払いを受けた際に印紙を貼る場合、唾をつけることなく貼れる方法があれば便利ですよね。しかし、現在は印紙にシール状の糊がついていないため、湿らせて貼ることが必要です。もし、現場で困ることがあれば、事前に湿らせる道具（例えば、スポンジや水入りの小さな容器）を用意しておくと便利です。

また、もし印紙を貼る際に困る場合、事前に顧客との合意を取っておくか、他の方法でスムーズに対応できるよう準備しておくと良いでしょう。

シール式印紙が発売されない理由は、先ほど述べたように「再利用防止」という観点が大きいです。さらに、印紙をシール状にしてしまうと、取引時に偽造や不正な利用がされやすくなり、そのセキュリティ上の問題も考慮されています。

また、税務署などが印紙税の徴収を管理しているため、現在の形式に変更することで、管理や監視が複雑化する懸念もあるでしょう。そのため、シール式印紙の導入は現時点では難しいとされています。

印紙を使用する際には、湿らせて貼る方法をしっかりと理解しておくことが大切です。シール式の印紙がないことに不便を感じることもありますが、事前に必要な道具を準備したり、顧客との合意を得てスムーズに取り扱いができるよう工夫することが解決策となります。

また、印紙の使い方には法的な意味も含まれるため、常に正確な方法で取り扱うことが求められます。今後、シール式の印紙が導入される可能性は低いですが、しっかりと現行のルールを守ることが重要です。