子会社株式や関係会社株式の減損と連結財務諸表への影響

会計、経理、財務

子会社株式や関係会社株式を減損した場合、個別財務諸表に影響が出る一方で、連結財務諸表では影響が出ないと教えられたとき、その意味がよく分からないという方が多いです。本記事では、この点について詳しく解説し、個別財務諸表と連結財務諸表の違いや、減損の影響を理解する方法について説明します。

個別財務諸表と連結財務諸表の違い

まず、個別財務諸表と連結財務諸表の基本的な違いについて理解することが重要です。個別財務諸表は、親会社単体での経営状態を示すものです。一方、連結財務諸表は、親会社とその子会社を一つの経済単位としてまとめた財務諸表で、グループ全体の経済的な状況を反映します。

この違いが、減損の影響に関する疑問を解消するカギになります。個別財務諸表では、親会社が所有する子会社株式や関係会社株式の評価額を減損処理しますが、連結財務諸表では、子会社の資産を含めたグループ全体での評価が行われるため、個別の減損処理が反映されません。

減損処理が個別財務諸表に与える影響

子会社株式や関係会社株式の減損処理は、個別財務諸表での評価額に影響を与えます。減損とは、資産の帳簿価額が回収可能価額を上回っている場合に、その差額を損失として計上する処理です。

具体的には、親会社が所有する子会社株式や関係会社株式の価値が下落した場合、その減損損失は親会社の個別財務諸表に反映され、損益計算書上で減損損失として計上されます。この減損損失は、親会社の利益に影響を与えるため、個別財務諸表の純利益が減少します。

連結財務諸表で減損が反映されない理由

連結財務諸表では、親会社とその子会社の財務情報が一体化してまとめられます。そのため、子会社の株式減損が親会社に対してどのように影響するかは、連結財務諸表の中で調整されます。

具体的には、子会社の株式が減損された場合でも、その評価損は連結財務諸表では親会社単独の資産として計上されません。連結財務諸表では、親会社が所有する株式の価値が子会社の資産・負債の評価に影響を与える形で調整されるため、個別財務諸表で発生した減損はそのまま連結財務諸表に影響しません。

連結修正仕訳による調整

減損処理を行った個別財務諸表と連結財務諸表の間には修正仕訳が必要となる場合があります。連結修正仕訳とは、親会社と子会社の取引を一体化するための調整仕訳です。具体的には、親会社が所有する子会社株式の減損損失を戻し計上することがあります。

この修正仕訳を行うことで、連結財務諸表では親会社と子会社の資産や利益が一体的に反映され、減損処理がどのように影響を与えるかが調整されます。したがって、個別財務諸表での減損処理が連結財務諸表には影響を与えないように調整されるのです。

まとめ

子会社株式や関係会社株式の減損処理は、個別財務諸表には直接影響を与えますが、連結財務諸表には影響を与えないという点が理解のカギとなります。これは、連結財務諸表では親会社と子会社の資産を一体的に評価するため、個別の減損損失がそのまま反映されないからです。連結修正仕訳を通じて、両者の調整が行われることで、連結財務諸表の一貫性が保たれます。

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