日商簿記1級の工業簿記・原価計算における累加法と非累加法の問題では、特に工程別原価計算に関して多くの疑問が生じることがあります。特に、原価の内訳が不明な場合や、月初仕掛品のデータにどのように処理を加えるべきかは悩ましい点です。この記事では、第2工程月初仕掛品データに第1工程月初仕掛品と第2工程月初仕掛品を同時に載せることについて、累加法と非累加法に基づく解説を行います。
累加法と非累加法の違い
累加法(加算法)では、各工程で発生した原価を順に加算していきます。この方法では、原価が順次加算されていくため、前工程の月初仕掛品がそのまま次工程に引き継がれます。一方、非累加法(直接法)は各工程での原価を独立して計算し、過去の工程の仕掛品を次工程に引き継がず、それぞれの工程で独立して計算を行います。
第2工程月初仕掛品の取り扱いについて
質問にあるように、原価の内訳が不明な場合、非累加法を採用することが一般的です。この場合、第2工程の月初仕掛品には、第1工程の月初仕掛品は加算されず、第2工程における新たな原価だけが計上されるべきです。しかし、累加法を使用している場合は、第1工程で発生した原価が次工程に引き継がれるため、両方の仕掛品データを第2工程に含めることが一般的です。
非累加法で第2工程月初仕掛品に両方載せることはあるか?
非累加法を用いている場合、原則として第2工程の月初仕掛品には、第2工程自身のデータだけが含まれるべきです。第1工程の月初仕掛品は第1工程での計算にのみ影響を与えるため、第2工程月初仕掛品には含めません。したがって、非累加法で計算する場合に第1工程と第2工程の仕掛品を一緒に載せることは通常ありません。
累加法を使う場合の仕掛品の取り扱い
累加法では、第1工程の月初仕掛品が第2工程に引き継がれます。これにより、第2工程の月初仕掛品には第1工程からの仕掛品が加算されるため、結果として両方の仕掛品データが含まれます。この場合、原価計算は順次加算され、最終的に各工程で発生した原価が累積される形になります。
まとめ
累加法と非累加法の工程別原価計算には、それぞれの特徴があり、仕掛品の扱い方に大きな違いがあります。非累加法では、第1工程と第2工程の仕掛品を一緒に載せることはなく、各工程の原価は独立して計算されます。逆に、累加法では、前工程の仕掛品が次工程に引き継がれるため、第2工程の月初仕掛品に両方のデータが載ることになります。適切な原価計算を行うためには、どの方法を採用しているかをしっかりと理解し、それに基づいて処理を行うことが重要です。

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