簿記1級の問題で、持分法適用会社から連結子会社へ移行する際の仕訳や計算方法について、特に「のれん」や「土地評価差額」の取り扱いについて疑問を持っている方が多いです。この問題では、特に持分法の開始仕訳の必要性や、土地評価差額の反映について説明します。
1. 持分法適用開始仕訳の必要性
持分法を適用する際、確かに開始仕訳が必要かどうか迷うことがあります。基本的に、持分法適用開始時に仕訳は必要ないと思われがちですが、実際には開始時に調整を行うことが求められます。これは、投資した金額と保有する株式の帳簿価額の差異を調整するためです。
したがって、「持分法開始仕訳」の必要性はあります。例えば、以下のような仕訳が必要になります。
借方: 投資勘定 ¥58,000
貸方: 現金または預金 ¥58,000
2. のれんの計算と反映方法
持分法適用において「のれん」を計上しないことは確かですが、計算する際に発生するのれん相当額は反映させる必要があります。例えば、取得時の株式の購入価格とその時点での投資先の純資産価額の差額が「のれん」となります。これに基づいてのれん相当額を計算し、償却します。
例えば、P社がS社の株式20%を取得した際、取得価格と株式の純資産の差額として「のれん」が発生します。こののれんを計上し、毎年定額で償却します。
借方: のれん ¥1,280
貸方: 現金または預金 ¥1,280
3. 土地評価差額の反映方法
土地評価差額については、持分法を適用する際に必ず反映させる必要があります。特に、S社の土地評価差額を反映させる場合、その評価差額を調整し、投資利益に反映させます。例えば、S社が土地の評価差額を持っている場合、その評価差額に基づいて持分法適用後の株式評価額が変動します。
そのため、S社の土地評価差額を考慮して、計算を行います。例えば、土地評価差額3,600円を反映させると、以下のような計算がなされます。
評価差額反映後のS社純資産: ¥283,600
P社保有分: ¥283,600 × 20% = ¥56,720
4. まとめと解説
持分法を適用する際、開始仕訳として投資金額を計上し、のれん相当額を償却する処理が必要です。また、土地評価差額については反映させる必要があり、これにより保有する株式の評価額が変動します。これらの仕訳と計算を適切に行うことで、連結子会社への移行に伴う会計処理を正確に進めることができます。
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