損益分岐点売上高の求め方:固定費と変動費率を活用した計算式

会計、経理、財務

損益分岐点売上高は、企業が利益と損失の境目に達する売上高を示す重要な指標です。この売上高を求めるために用いられる計算式は、「固定費 / (1 – 変動費率)」です。この式がなぜ使われるのか、どういった背景があるのかについて解説します。

損益分岐点売上高とは

損益分岐点売上高は、企業が利益をゼロにするために必要な最低限の売上額を指します。企業がこの売上高を超えると利益が発生し、逆に下回ると損失が発生します。この概念は、企業の経営状態を理解し、適切な価格設定やコスト管理を行うために欠かせないものです。

損益分岐点売上高の計算式

損益分岐点売上高の計算式は以下の通りです。

損益分岐点売上高 = 固定費 / (1 - 変動費率)

ここで、固定費は売上に関係なく発生する経費(例:家賃や管理費など)、変動費率は売上に比例して発生する経費(例:原材料費や直接労務費など)を示します。

なぜこの計算式が使われるのか

この式が使われる理由は、企業の収益構造におけるコストの性質に基づいています。固定費は売上がいくらであろうとも一定で発生しますが、変動費は売上が増えるとともに増加します。

計算式の中で「1 – 変動費率」を使う理由は、損益分岐点売上高が、企業が固定費をカバーできるために必要な売上高を示すからです。変動費率を引いた部分は、売上から変動費を引いた利益部分が、固定費をカバーするために必要な売上の割合を示します。

具体例での理解

例えば、ある企業の固定費が100万円、変動費率が0.6(売上の60%が変動費)だとします。この場合、損益分岐点売上高は次のように計算できます。

損益分岐点売上高 = 100万円 / (1 - 0.6) = 100万円 / 0.4 = 250万円

この計算により、企業は月間250万円以上の売上を達成すれば、固定費をカバーし、利益が出始めることがわかります。

まとめ

損益分岐点売上高は、固定費と変動費率を基に計算され、企業が利益を生むために必要な最低限の売上額を示す重要な指標です。計算式の「1 – 変動費率」を用いることで、売上から変動費を引いた利益部分が固定費をカバーするために必要な売上額を計算できるため、この式は非常に有効です。

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