連結仕訳における非支配株主持分の処理についての疑問解決

簿記

連結仕訳における非支配株主持分の処理についての理解は、特に企業グループの会計処理において非常に重要です。今回は、S社とP社の取引を例にとり、非支配株主持分の具体的な仕訳方法を解説します。特に「非支配株主持分」や「非支配株主持分当期変動額」の違いについても触れていきます。

1. 連結仕訳の基礎

連結仕訳は、親会社と子会社の取引をひとつの経済単位として取り扱うため、さまざまな調整が必要です。特に、子会社との取引における未実現利益の消去や、非支配株主持分の処理は非常に複雑です。

2. アップストリーム取引の例

今回の例で示されているアップストリーム取引(親会社から子会社への商品販売)では、S社がP社に商品を販売し、その商品がP社の期末商品として残っているケースです。この場合、未実現利益の消去が必要です。仕訳としては、売上原価と商品を消去する必要があります。

3. 非支配株主持分と非支配株主持分当期変動額

質問にある「非支配株主持分」と「非支配株主持分当期変動額」の違いについて整理しましょう。「非支配株主持分」は、親会社が所有していない子会社の株式部分に相当する持分を指します。一方、「非支配株主持分当期変動額」は、その年の期間内で発生した非支配株主持分の増減額を示します。問題の仕訳において、(A)は「非支配株主持分当期変動額」と解釈するのが適切です。

4. 連結修正仕訳の具体例

連結修正仕訳は以下のように処理されます。

  • 売上原価 400 / 商品 400
  • 非支配株主持分当期変動額 120 / 非支配株主に帰属する当期利益 120

この仕訳により、S社とP社間で発生した未実現利益を消去し、非支配株主の持分変動を正しく反映させます。

5. テキストにおける違いと注意点

テキストによって「非支配株主持分」や「非支配株主持分当期変動額」の扱いが異なることがありますが、実務ではこれらの概念は別物として扱われます。具体的な仕訳を理解するためには、これらの違いをしっかりと把握しておくことが重要です。

まとめ

連結仕訳において「非支配株主持分」と「非支配株主持分当期変動額」の違いを理解し、正しい仕訳を行うことは非常に重要です。特に、アップストリーム取引における未実現利益の消去と非支配株主持分の処理方法をしっかりと学び、実務に活かしていきましょう。

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