事業部制組織とマトリックス組織は、企業内で社員がどのように所属するかに関する異なるアプローチを取ります。この記事では、両者の違いや、マトリックス組織における社員の所属の仕組みについて解説します。
1. 事業部制組織の特徴
事業部制組織は、企業内で事業部ごとに分かれた組織形態です。例えば、海外事業部や国内事業部の中に、総務部門、営業部門、開発部門などが存在します。この場合、社員は「国内事業部」「海外事業部」のいずれかの事業部に所属し、その中で「総務」「営業」「開発」などの部門に分かれて業務を行います。
2. マトリックス組織の特徴
マトリックス組織では、社員が複数の軸で所属することになります。具体的には、社員は「事業部(国内/海外)」と「部門(総務/営業/開発)」という2つの軸にまたがって所属する形になります。このため、マトリックス組織における社員は、例えば「国内事業部の開発部門」と「海外事業部の営業部門」に同時に所属することがあり、複数の上司や責任者の指導を受けることになります。
3. マトリックス組織における社員の業務範囲
質問者が疑問に思っている点、「社員が国内事業部の開発部門と海外事業部の開発部門の業務も行うのか」についてですが、マトリックス組織においては、社員はその所属部門の業務を担当しつつ、もう一つの事業部門の業務にも関わることになります。ただし、業務が重複することは少なく、通常は「国内事業部開発部門での仕事」と「海外事業部の営業部門に関連した業務」のように、別々の業務範囲で役割が割り当てられることが一般的です。
4. マトリックス組織の利点と課題
マトリックス組織の利点は、柔軟で迅速な意思決定と、社員が複数の分野に関与できることです。多角的な視点を持つことができ、組織全体の調整力が向上します。しかし、課題としては、指示系統が複雑になりやすく、社員が混乱したり、コミュニケーションの調整が難しくなることもあります。
5. まとめ
マトリックス組織では、社員は複数の役割を兼ねる場合があり、どの部門にも所属しつつ、それぞれの責任を持って業務を行います。社員の役割や業務範囲が明確でないと、業務の重複や混乱を招くこともありますので、管理職はしっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。
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