工業簿記2級の学習において、賃金の支払いに関する仕訳には「賃金・給料」と「仕掛品」「製造間接費」の2つのパターンがあります。これらの違いを理解することは、試験対策や実務において非常に重要です。
賃金・給料の支払いとその仕訳
賃金・給料の支払いは、従業員に対する報酬の支払いです。支払った金額は、貸方に「現金」または「未払金」を記入し、借方に「賃金・給料」を記入します。これは、支払った賃金がそのまま費用として計上されるためです。
賃金の消費とその仕訳
賃金の消費とは、支払った賃金が実際に製品の製造にどのように使われたかを示すものです。直接工の作業時間に対応する賃金は「仕掛品」に振り替えられ、間接工の作業時間に対応する賃金は「製造間接費」に振り替えられます。これにより、製品ごとの原価計算が可能となります。
仕訳の具体例
例えば、直接工が600時間、間接工が100時間、手待時間が50時間で、賃率が2,000円の場合、直接工の賃金は1,200,000円、間接工と手待時間の賃金は300,000円となります。これらを仕訳すると、借方に「仕掛品」と「製造間接費」、貸方に「賃金・給料」が計上されます。
まとめ
賃金の支払いと賃金の消費は異なる概念であり、それぞれに対応する仕訳が必要です。支払いは費用の発生を示し、消費はその費用がどのように使われたかを示します。これらの違いを理解することで、工業簿記の仕訳処理がより明確になります。
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