アルバイトや外注への支払いを行う際、領収書に収入印紙を貼るべきかどうかは多くの人が迷うポイントです。特に、支払い相手の立場によって印紙税の課税要否が異なるため、正しく理解しておくことが重要です。この記事では、個人事業主、無職、会社員副業の場合に分けて領収書の印紙の必要性についてわかりやすく解説します。
収入印紙が必要となる基本ルール
印紙税法では、営業に関する金銭の受取書に対して印紙税が課されます。つまり、事業として継続的に行っている取引に基づく領収書には印紙が必要になります。一方、生活費の受取りや事業と関係のない個人的な取引については印紙は不要です。
また、2023年現在では、領収金額が5万円以上であれば印紙の対象となり、例えば20万円の支払いに対して発行される領収書は課税文書となります。ただし電子領収書であれば印紙は不要です。
個人事業主に支払う場合
支払い相手が個人事業主であり、その業務に対して報酬を支払う場合は、営業に関する受取書に該当するため印紙の貼付が必要です。たとえばフリーランスのデザイナーやライターに対して20万円を支払う場合、領収書には印紙が貼られていなければなりません。
この場合、印紙税の負担は領収書を発行する側(受け取る側)ですが、実務上は発行者と支払者で事前に取り決めをすることもあります。
無職や開業届を出していない個人に支払う場合
相手が事業を営んでいない、つまり一時的にアルバイト的な業務を依頼した場合には、その支払いは営業に関する金銭の受領には該当しません。そのため、領収書を発行したとしても印紙の貼付は不要です。
例えば、近所の人に一時的に手伝いを頼んで日当をまとめて支払った場合などは、生活上の臨時的な収入にあたるため印紙税の対象外となります。
サラリーマンが副業で受け取る場合
会社員であっても、副業として業務を請け負っている場合、その収入は「事業所得」または「雑所得」として扱われます。特に、継続性・反復性があり、副業として業務を請け負っていると判断される場合には、営業に関する取引に該当します。この場合は領収書に収入印紙が必要です。
例えば、副業でWEB制作や家庭教師を継続的に行い、領収書を発行する場合は印紙税法上の課税対象となります。
実務での注意点
収入印紙は、あくまでも「営業に関する」受取書に必要であるという点を押さえておけば迷いが少なくなります。なお、電子的に領収書を発行する場合は印紙が不要ですので、業務の効率化の観点からも電子領収書を導入する企業が増えています。
また、税務調査では領収書に印紙が貼られているかどうかを確認されることが多いため、金額が大きい取引では特に注意が必要です。
まとめ
20万円を支払う場合でも、相手の立場によって印紙の要否が異なります。
・個人事業主や副業で継続的に業務を行う場合 → 印紙が必要
・無職や一時的な労働対価の場合 → 印紙は不要
この区分を理解しておけば、領収書に印紙が必要かどうかを判断できます。実務では電子領収書を活用することで、印紙税を回避する方法も有効です。


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