商業簿記2級の試験において、決算整理後残高試算表を作成する際に重要なポイントの一つが、棚卸減耗損と商品評価損がどのように売上原価に算入されるかです。この記事では、棚卸減耗損や商品評価損が売上原価に算入される意味とその計算方法について、詳しく解説します。
1. 棚卸減耗損と商品評価損の定義
棚卸減耗損とは、棚卸資産(商品や製品など)が紛失、破損、または劣化することによって生じる損失です。例えば、商品が盗まれたり、傷がついて売れなくなった場合にその損失額を指します。
商品評価損は、商品の評価額が下がった場合に発生する損失です。市場価値の変動などにより、商品が売れ残り、在庫の評価額が減少した場合に計上されます。
2. 売上原価に算入する理由
棚卸減耗損と商品評価損は、いずれも販売するために仕入れた商品が、最終的に販売できなくなる、または価値が下がることによる損失です。このため、これらの損失は売上原価に算入する必要があります。売上原価とは、企業が商品を仕入れ、その販売に必要な費用を含むものです。
そのため、棚卸減耗損と商品評価損が発生した場合、それを売上原価に加算することで、最終的な利益を正確に計算することができます。これにより、損益計算書の精度が高まり、企業の実際の経営状況を反映させることができます。
3. 例題:決算整理後残高試算表の計算方法
例えば、以下のようなデータがあるとします。
- 期末商品帳簿棚卸高: 6,240円
- 棚卸減耗損: 260円
- 商品評価損: 340円
- 繰越商品: 5,600円
- 仕入: 152,620円
この場合、棚卸減耗損と商品評価損は売上原価に加算されるため、仕入れ額に加えてこれらの損失額も売上原価として計算に含まれます。
最終的な売上原価を計算する際には、期末の商品棚卸高とともに、これらの損失を加算していきます。これにより、商品の本来の価値に基づいた利益計算ができます。
4. まとめ:棚卸減耗損と商品評価損を理解しよう
棚卸減耗損と商品評価損は、商業簿記2級の試験で頻出の項目です。これらの損失を売上原価に算入することで、より正確な利益計算が可能になります。企業の経営状態を正確に反映させるためにも、これらの概念をしっかり理解し、計算に取り入れることが大切です。
もし試験でこのような問題に直面した場合は、損失額を売上原価に適切に算入することを意識し、計算を進めていきましょう。
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