PBR(株価純資産倍率)が低い理由に関して、企業がどのように説明しているのかを理解することは、投資家や企業経営者にとって重要です。特に、巨額の資産(ビルなど)が関与する場合、企業側がどう説明しているのか、その説明の背景を深掘りしていきます。
PBR(株価純資産倍率)とは?
PBRは、株価と企業の純資産を比較する指標であり、以下の数式で求められます。
PBR = 時価総額 / 純資産
企業の純資産が高いほどPBRが低くなる傾向があり、この指標は企業の資産価値と市場評価を比較するために使用されます。
一般的にPBRが低いということは、市場がその企業の資産に対して低く評価していることを示します。企業側が「PBRが低い理由」として、保有する巨額の資産を挙げることがありますが、具体的にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
企業側の説明:巨額の資産(ビル)が理由
企業側の説明において「古くから色んな事業を行っている企業で、事業再編後に巨額の資産(ビル)が残っているため、PBRが低い」という主張があります。これがどういうことかを理解するためには、資産と純資産の関係を考えることが重要です。
まず、企業の資産は「資産 = 負債 + 純資産」という基本的な会計の式で表されます。企業が保有するビルのような資産が増加すると、純資産も増加します。しかし、この場合、資産の増加は必ずしも株主にとっての利益には直接結びつきません。ビルなどの不動産が含まれていると、その資産が現金化しにくい場合が多く、市場からは「実質的な価値」が低く見積もられることがあります。
純資産の勘定科目とその影響
企業が保有するビルなどの資産は、基本的に「固定資産」として計上されます。この固定資産は、企業のバランスシートにおいて重要な役割を果たし、純資産を構成する一部となります。
しかし、重要なのはその資産が「現金化可能か?」という点です。ビルや土地などの不動産は現金化が難しいため、市場評価が低くなることがあります。その結果、企業のPBRが低くなることもあります。実際、企業側が「ビルなどの資産が多いため、PBRが低い」という場合、その不動産が純資産に大きな影響を与えていることが背景にあります。
ビル購入時の資産計上方法
企業がビルなどの資産を購入した際、その会計処理は資産の「取得」として計上されます。最初に事業を始めた時に集めたお金でビルを購入した場合、会計上は「建物(資産)」と「資本金(純資産)」として記録されることが考えられます。
また、過去の利益(繰越利益剰余金)で購入した場合もありますが、この場合、純資産として計上される金額は利益剰余金を通じて増加し、会社の財務に影響を与えます。どちらにしても、資産の増加と純資産の増加は密接に関係しており、最終的には企業のPBRに影響を与えることになります。
まとめ
PBRが低い理由についての企業の説明は、実際に保有している資産(特に不動産)が純資産に大きく影響を与えている場合が多いです。企業側が言うように、巨額の資産があるからPBRが低いというのは、理論的に正しい部分がありますが、市場の評価においては「現金化可能な価値」が重要であることを理解することが必要です。
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