簿記1級の試験では、償却原価法(利息法)を用いて満期保有目的債権の帳簿価格と有価証券利息を求める問題が出題されることがあります。この記事では、与えられた情報をもとに、どのように帳簿価格を計算し、利息を求めるかについて解説します。
1. 償却原価法(利息法)とは?
償却原価法(利息法)は、債券の取得時における帳簿価格と満期日までの利息収入を考慮して、債券の価値を計算する方法です。この方法では、実行利子率を基にして、債券の帳簿価格を年ごとに求めます。
2. 与えられた情報
問題で与えられた情報は次の通りです。
- 額面金額: 100,000円
- クーポン利子率: 2%
- 実行利子率: 4%
- 利払日: 毎年3月末(年1回)
- 取得日: ×3年3月31日
- 満期日: ×7年3月31日
- 決算日: ×5年3月31日
これらの情報をもとに、帳簿価格と有価証券利息を計算します。
3. 各年の帳簿価格の求め方
帳簿価格は、債券を取得した時点から満期までの各年ごとに、実行利子率(4%)を基に計算します。具体的には、次の式を使用します。
帳簿価格 = 取得価格 + 利息収入 – 償却額
償却額は、各年の利息収入と額面金額との差額で、これを帳簿価格に加減していきます。利息収入はクーポン利子率(2%)に基づいて計算しますが、実際の利息額は実行利子率(4%)に基づいて償却されるため、この差を考慮する必要があります。
4. 各年の有価証券利息の求め方
有価証券利息は、クーポン利子率(2%)を基にして計算されます。ただし、実行利子率が4%であるため、帳簿価格を基にした実際の利息計算が重要です。各年の利息は、以下のように計算されます。
有価証券利息 = 実行利子率 × 年初の帳簿価格
この利息収入は、年ごとに累積していきます。
5. 具体例:各年の帳簿価格と有価証券利息の計算
たとえば、取得日の帳簿価格は100,000円であり、利息収入は100,000円×2%=2,000円です。その後、各年の償却額や利息収入を計算し、帳簿価格を更新していきます。
詳細な計算には、各年の帳簿価格や利息額を求めるための具体的な数式を用いる必要がありますが、この方法を繰り返し適用することで、満期までの帳簿価格と利息を求めることができます。
6. まとめ
償却原価法(利息法)を用いた満期保有目的債権の帳簿価格と有価証券利息の計算は、実行利子率とクーポン利子率の差を考慮しながら行う必要があります。具体的な計算方法を理解し、問題を解くことで簿記1級の試験にも対応できるようになります。
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