簿記2級の税効果会計において、特に一時差異や繰延税金資産の計算が難しく感じる方が多いでしょう。今回は、税効果会計における「貸倒引当金」と「一時差異」の計算方法に焦点を当て、実務でよくある計算問題を解説します。
税効果会計における一時差異とは
税効果会計では、企業の会計上の利益と税法上の利益の差異を調整するために、繰延税金資産や繰延税金負債を計上します。一時差異は、将来の期間で税金が支払われる(または還付される)ことが予想される差異のことを指し、これに基づいて繰延税金資産や負債が発生します。
具体的には、貸倒引当金や減価償却など、税法と会計基準で取り扱いが異なる項目が影響します。これらの差異を調整することで、税務上の利益と会計上の利益が一致するようにします。
貸倒引当金と税効果会計の関係
貸倒引当金は、将来の貸倒れを見込んで計上する引当金で、会計上は損金として計上しますが、税法では一定の制限があります。問題文にあるように、損金不算入分(例えば50円)については税務上、計上できないため、税効果会計で調整が必要です。
実務上、税効果会計では、この損金不算入部分に対して繰延税金資産を計上します。例えば、50円×30%(実効税率)=15円の繰延税金資産を計上することになります。これにより、税務上の影響を会計上の利益に反映させることができます。
一時差異の計算方法(期首と期末の差額)
質問にある「期首800円、期末1,200円」という数字は、それぞれ貸倒引当金の残高を指しており、期首と期末での差額が一時差異となります。この差額に実効税率(30%)を掛けることで、繰延税金資産が計算されます。
具体的には、(1,200円 – 800円) × 30% = 120円の繰延税金資産が計上されます。これにより、会計上で貸倒引当金が増加した分について、税務上の影響を反映させることができます。
貸倒引当金の計算問題の実務的なアプローチ
税効果会計の計算問題に取り組む際は、まず貸倒引当金に関する理解を深め、税法と会計基準の違いをしっかり把握することが重要です。特に損金不算入部分や一時差異の計算において、税効果の調整を正確に行う必要があります。
実務では、会計上の利益と税務上の利益が異なる場合、これらの調整が頻繁に行われるため、税効果会計の基本的な計算方法を確実に理解しておくことが求められます。
まとめ
簿記2級の税効果会計では、一時差異の計算や繰延税金資産の調整が重要なポイントです。貸倒引当金や損金不算入分に関連する計算方法をしっかり理解することで、試験においても正確な解答ができるようになります。繰延税金資産の計算方法をマスターし、税効果会計におけるポイントを押さえた勉強を進めましょう。
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