転職活動において採用通知を受けたにもかかわらず、その後の連絡が途絶えてしまうケースは決して珍しくありません。特に大手企業であっても支店や本社間の連携不足により、求職者が長期間不安定な状況に置かれることがあります。この記事では、そのような場合に取るべき対応策について、法的観点と実務的なアドバイスを交えて解説します。
採用通知は法的拘束力を持つのか
一般的に「採用通知」は労働契約成立の意思表示とみなされる場合が多いです。特に「採用内定通知書」やメールでの正式通知がある場合は、企業側に労働契約を履行する義務が発生する可能性があります。
ただし、企業側は「内定取消し事由」が認められる場合(経営上の重大な事情、応募者の経歴詐称など)には撤回可能とされています。しかし、今回のように一方的な放置は不誠実な対応と評価されるケースが多いです。
まずは書面で正式に問い合わせを
口頭や電話だけでなく、書面または内容証明郵便で問い合わせを行うことをおすすめします。「◯月◯日に採用通知を受けたが、入社日の案内がなく生活に影響が出ている」と記録に残る形で送付することが重要です。
証拠を残すことで、後に労働局や弁護士へ相談する際にも有利になります。
労働局や労働相談窓口への相談
各都道府県の労働局には「総合労働相談コーナー」が設置されており、無料で相談が可能です。企業名や対応経緯を説明すれば、企業への指導やあっせん制度を利用できる場合があります。
また、状況によっては労働審判や損害賠償請求の対象となる可能性もあるため、早めに専門機関に相談することが得策です。
生活への影響を最小限に抑える工夫
転職活動中にこのような事態に陥ると、無収入期間が長引き大きな負担になります。そのため、次のような工夫も重要です。
- 他社への応募を同時進行で続ける
- ハローワークや転職エージェントに現状を相談する
- 短期バイトや派遣などで一時的に収入を確保する
「この会社しかない」と思い込まず、複数の選択肢を持つことがリスク回避につながります。
まとめ
採用通知後に連絡が来ない場合は、まず書面での問い合わせを行い、それでも解決しなければ労働局や弁護士への相談を検討しましょう。採用通知には法的拘束力がある場合が多く、泣き寝入りする必要はありません。同時に、生活への影響を抑えるために他の選択肢も確保しながら行動することが大切です。
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