日商簿記1級の完成品総合原価の求め方と仕損の扱いについて

簿記

日商簿記1級の工業簿記や原価計算において、完成品総合原価を求める際に出てくる「仕損」や「正常仕損」「異常仕損」といった概念について、どのように扱うべきかを解説します。特に、仕損の処理方法について迷っている方が多いですが、基本的な考え方を理解することで、効率よく計算ができるようになります。

1. 完成品総合原価の基本的な計算方法

完成品総合原価を求める際には、まず月初の仕掛品、当月の仕掛品、月末の仕掛品をもとに計算します。この際、通常の製造費用に加えて、「正常仕損」「異常仕損」などの処理を行う必要があります。正常仕損は許容範囲内の損失であり、異常仕損は予想外の損失です。

完成品総合原価の計算式は、
月初仕掛品 + 当月製造費用 – 月末仕掛品
となりますが、仕損の処理が影響します。

2. 正常仕損と異常仕損の違いと処理方法

正常仕損とは、予測できる範囲内で発生する仕損であり、これに対して異常仕損は予想外の問題で発生した仕損です。簿記では、正常仕損は製造コストに含めて計上し、異常仕損は製造コストから除外して、損失として別途処理します。

したがって、正常仕損は完成品に加算し、異常仕損は製造原価から差し引くことが一般的な処理方法です。

3. 仕損の調整と完成品・負担額の加算

正常仕損や異常仕損を考慮した後、完成品にかかる負担額も計算に加える必要があります。正常仕損を引いた場合は、完成品・負担額を加算することで総合原価が正確に計算できます。

逆に、仕損を引いた場合は月末の正常減損を差し引くことになります。これは、月末の仕掛品に残った分を正確に反映するためです。

4. 完成品総合原価の仕訳例

完成品総合原価を求める際の仕訳は以下の通りです。

完成品総合原価 = 月初 + 当月製造費用 – 月末仕掛品
ただし、正常仕損を引いた場合は、完成品・負担を加算し、仕損のみを引いた場合は月末・正常減損を差し引きます。

5. まとめ

完成品総合原価を求める際には、仕損や異常仕損の影響を正しく理解し、計算に反映することが大切です。正常仕損は完成品に加算し、異常仕損は除外することで正しい原価計算ができます。簿記の試験では、こうした原価計算の基本をしっかりと理解しておくことが重要です。

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