危険物取扱者乙種は、石油や薬品などの危険物を取り扱うために必要な国家資格であり、種類ごとに試験範囲が異なります。特に「法令」や「物理化学」は共通なのか、それとも類別ごとに異なるのか、受験者にとって気になるポイントです。この記事では、乙種1〜6類の試験範囲の共通点と違いについてわかりやすく解説します。
乙種危険物取扱者の試験構成
乙種危険物取扱者試験は以下の3つの科目で構成されています。
- 法令(15問)
- 物理・化学(10問)
- 性質・消火(10問)
合格基準は各科目60%以上かつ全体で60%以上の正答率です。つまり、どの科目もバランスよく得点する必要があります。
法令と物理化学は全類共通
乙種1〜6類の試験において、「法令」と「物理・化学」の出題範囲はすべて共通です。具体的には、危険物の貯蔵・取扱いに関する法律や規制、また燃焼や化学反応の基本知識が問われます。したがって、乙4を受験して合格した場合、他の類を受ける際には「法令」と「物理・化学」を改めて勉強する必要はありません。
ただし、実際の試験では再度同じ科目が出題されるため、免除制度を利用しない限りは再び解答することになります。
類ごとに異なるのは性質・消火
類別ごとの違いが出るのは「性質・消火」の科目です。例えば、乙4類ではガソリンや灯油といった引火性液体の性質と消火方法が問われますが、乙1類では酸化性固体、乙5類では自己反応性物質など、それぞれ扱う危険物の種類に応じた問題が出題されます。
つまり、乙4に合格していても、乙1や乙2を受験する際には、それぞれの危険物の性質と消火方法について新たに学ぶ必要があります。
効率的な複数類合格の勉強法
すでに乙4を取得している方が他の類を受験する場合、法令と物理化学は基礎として共通しているため、勉強の中心は「性質・消火」に絞るのが効率的です。特に次のような勉強法が有効です。
- 性質・消火に特化した参考書を使う
- 過去問で出題傾向を把握する
- 実際に取り扱う危険物の現場知識を活用する
例えば、化学工場で働いている方なら、職場で取り扱う物質がどの類に該当するかを確認しながら勉強すると理解が深まります。
実務でのメリット
複数の乙種資格を持っていると、取り扱える危険物の幅が広がり、就職や転職に有利になります。例えば、乙4はガソリンスタンド勤務に必須資格ですが、加えて乙2や乙5を取得しておくと、化学工場や研究所での採用に有利に働くケースがあります。
また、法令や物理化学が共通であるため、一度学んだ基礎知識を応用して他の類に挑戦できるのも大きなメリットです。
まとめ
危険物取扱者乙種1〜6類の試験において、「法令」と「物理化学」はすべて共通で、「性質・消火」のみが類ごとに異なります。そのため、すでに乙4を取得している場合、他の類を受験する際は性質・消火を重点的に学習すれば効率よく合格を目指せます。複数資格を取得すればキャリアの幅も広がるため、計画的にステップアップしていくのがおすすめです。
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