運送業界での原価計算の基本と客先への単価改定提案方法

会計、経理、財務

運送業界での原価計算は、企業の利益を確保するために非常に重要です。特に、短時間の仕事を請け負う場合、実際のコストと収益を把握することが難しくなることがあります。この記事では、運送業界での原価計算の方法を解説し、客先への単価改定提案の方法についても説明します。

原価計算の基本

原価計算では、主に「固定費」と「変動費」を分けて考えます。これらを正確に把握し、単価に反映させることが利益確保のための鍵となります。

固定費は、運転手の基本給や車両のリース代、保険料など、業務の有無にかかわらず発生する費用です。これらは時間単価の計算に組み込むべき重要な要素です。

変動費は、ガソリン代や高速道路料金など、業務を行うごとに発生する費用です。これも計算に含める必要があります。

時間単価の算出方法

質問者が考えているように、固定費と変動費を日々の稼働時間で割って、時間単価を求める方法が一般的です。具体的には、次のステップで計算します。

1. 固定費(例: 車両リース代、運転手の基本給など)を月単位で計算します。

2. 変動費(例: ガソリン代、高速料金など)を運行するごとに計算します。

3. 固定費と変動費の合計を所定労働時間や実稼働時間で割り、時間単価を算出します。

実際の算出例

例えば、運転手の月給が30万円、車両リース代が10万円、ガソリン代や高速料金が1万円の場合、1か月に20日稼働したとしましょう。

その場合、固定費は30万円+10万円=40万円です。変動費は1万円ですので、合計は41万円です。

これを稼働時間に合わせて計算します。例えば、1日8時間の労働で20日稼働した場合、総稼働時間は160時間です。

そのため、41万円 ÷ 160時間 = 2,562円が1時間あたりの単価になります。これに利益を加えた単価を提示することが求められます。

単価改定の提案方法

単価改定の提案を客先にする際には、透明性を持って説明することが重要です。算出した原価に基づき、現在の料金では赤字が出ていることを具体的に示し、新しい単価がどのようにして計算されたのかを説明します。

また、改善策として、仕事の効率化や運行ルートの見直しを提案することも有効です。客先に理解してもらうためには、費用だけでなく、提供できる価値を強調することが大切です。

まとめ

運送業界における原価計算は、固定費と変動費を正確に把握し、時間単価を算出することで、客先との価格交渉に役立ちます。計算された単価を基に、現状の赤字を解消し、適切な単価改定を提案することが必要です。これを行うことで、運送業務をより効率的に運営し、利益を確保することができます。

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