小切手と受取手形の仕訳の違いについて解説

会計処理において、小切手や受取手形はどちらも重要な取引であり、それぞれの仕訳方法について理解しておくことが大切です。特に、小切手を銀行に持ち込む際や受取手形の場合における仕訳のタイミングについて疑問を持つ方も多いかもしれません。今回はその違いについて解説します。

1. 小切手と受取手形の基本的な違い

小切手は、支払人が発行し、受取人がその金額を銀行にて引き出す形で支払いを行う決済手段です。これに対し、受取手形は支払人が一定の期間内に支払うことを約束する証書で、期日が来ると支払を受けることができます。

このように、支払いのタイミングや取り決めが異なるため、会計上の仕訳処理にも違いが生じます。

小切手を受け取った時点で、銀行に持参して振り込みの依頼を行います。この時点で、現金の代わりに「当座預金」が増えるため、仕訳は「当座預金／現金」となります。この段階では、支払いが確定しているわけではなく、銀行での処理を待つ段階です。

そのため、銀行に持ち込んだ時点で仕訳を行いますが、実際に現金が振り込まれるまでの間、資金の移動は完了していません。

受取手形の場合、受け取った時点では支払いがまだ確定していません。手形の期日が来ると、支払人がその手形に基づいて支払いを行うため、期日までの間は「受取手形」を記録します。

受取手形が支払われた際に、実際にお金が振り込まれることで仕訳が完了します。そのため、受取手形の場合は、支払いが行われるタイミングで仕訳を行うことが一般的です。

大きな違いは、仕訳のタイミングです。小切手は銀行に持ち込んだ時点で仕訳を行いますが、受取手形は支払期日が到来した時に仕訳を行います。この違いは、支払いの確定時点に依存しており、支払いの確定性が小切手と受取手形では異なるためです。

また、受取手形の場合は、期日を待つ期間があるため、資産としての「受取手形」が一時的に計上され、その後の支払いが確認された時点で現金と交換される形となります。

小切手と受取手形は、どちらも支払いに関する重要な手段ですが、会計処理において仕訳のタイミングが異なります。小切手の場合は銀行に持ち込んだ時点で仕訳を行い、受取手形の場合は期日が来て支払いが確認された時に仕訳を行います。この違いを理解することで、適切な会計処理を行うことができます。