簿記2級の問題で、減価償却と除却が同時に行われているケースに戸惑うことがあります。特に、実際の簿記試験や練習問題で「減価償却と除却が同時に行われるのはなぜか?」といった疑問が生じることがあります。この記事では、減価償却と除却の関係、そしてその仕訳方法について詳しく解説します。
減価償却と除却の基本
減価償却は、固定資産が使用されることによって価値が減少していく過程を、会計上で費用として計上する方法です。これに対して、除却とは、企業が使用しなくなった資産を帳簿から取り除くことを意味します。通常、減価償却は毎期の決算時に行われ、除却はその資産を廃棄したり売却したりする際に行われます。
今回の問題では、除却が行われるタイミングで減価償却も行われるという少し複雑な状況ですが、実際の会計処理でこのようなタイミングになることはあります。
なぜ減価償却と除却は同時に行われるのか?
減価償却と除却が同時に行われる理由は、除却が資産の価値を帳簿から完全に除外する手続きであり、その資産に対する最後の減価償却を行う必要があるからです。具体的には、除却時にはその資産に関連するすべての費用を計上し、帳簿上の残高を0にするため、減価償却を同時に行います。
また、除却した時点で、その資産の帳簿価額と実際の処分可能価額との間に差異が生じることがあります。その差額は、損益として計上することになります。
減価償却と除却の仕訳方法
減価償却と除却を同時に行う場合、まずは通常の減価償却仕訳を行い、その後除却処理を行います。例として、以下のような仕訳になります。
減価償却の仕訳:
減価償却費 / 減価償却累計額
この仕訳は、決算期ごとに行われるもので、費用として計上されます。
除却の仕訳:
減価償却累計額 / 備品(資産)
備品(資産)の帳簿価額と処分可能価額の差額は、損益として計上します。
例えば、備品の帳簿価額が960,000円で、除却時の処分可能価額が186,000円であった場合、その差額(960,000円 – 186,000円)は、除却損として計上します。
例題の解き方とポイント
例題では、✕5年1月31日に備品が除却され、当期分の減価償却費も計上しなければなりません。ここで重要なのは、除却のタイミングで当期の減価償却費もきちんと計上することです。
具体的には、✕4年4月1日から✕5年1月31日までの間に発生した減価償却を計上し、除却時にはその残りの帳簿価額を除却処理します。除却時に発生する損益は、帳簿価額と処分可能価額との差額に基づいて計算され、仕訳で処理します。
まとめ
減価償却と除却は、資産の価値を正確に反映するために重要な会計処理です。除却と減価償却を同時に行うことができる理由は、資産を帳簿から除外する際に、その資産に対する最後の減価償却を行う必要があるからです。仕訳方法を理解し、実務での処理に慣れておくことが簿記2級試験で高得点を取るためのポイントとなります。
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