簿記三級 貸倒れ処理と貸倒引当金の仕訳解説|なぜ15万円の数字が使われなかったのか

簿記

簿記三級の問題で出題される貸倒れ処理に関して、「貸倒引当金の残高が150,000円」という記載があり、解答にはその金額が使われていない理由について疑問を持っている方も多いでしょう。この記事では、貸倒れの仕訳処理の流れや、貸倒引当金の取り扱いについて詳しく解説します。

貸倒れの仕訳処理の基本

貸倒れ処理とは、回収不能となった売掛金を帳簿から除外するために行う仕訳です。これにより、企業の財務諸表が実態に即したものとなります。貸倒れが発生した場合、まず「貸倒引当金」の設定が必要となり、次に実際に回収できなかった額を引当金を使って処理します。

問題文にある「得意先京都商事が倒産したため、手に対する死掛金100,000円が回収不能となった」という場合、回収不能金額が100,000円であることが記載されています。この金額に対して貸倒れの仕訳を行うことになります。

貸倒引当金の残高とその処理方法

問題文に「貸倒引当金の残高が150,000円あった」とありますが、この金額は貸倒れが発生した際にすでに設定されている引当金の額です。この引当金は、過去に予想される貸倒れに備えて積み立てられたもので、実際に貸倒れが発生した際には、その引当金を使って処理します。

この場合、貸倒れの処理として100,000円の回収不能金額に対して引当金を使うため、150,000円の引当金が残っていたとしても、実際に使われる金額は回収不能額に基づく100,000円です。したがって、解答において15万円は使用されていないというのは、引当金の残高がそのまま使われるわけではなく、実際の回収不能額に対応する金額が使われるからです。

貸倒れの仕訳例とその説明

実際の仕訳は以下の通りです。

  • 貸倒引当金(借方) 100,000円 / 売掛金(貸方) 100,000円
  • (回収不能額に対する処理)

この仕訳では、回収不能となった売掛金に対して、事前に積み立てていた貸倒引当金を使って処理します。引当金の残高が150,000円であっても、実際に処理するのは回収不能額に応じた100,000円です。残りの50,000円は次回以降の貸倒れに備えて繰り越されます。

貸倒引当金が過剰だった場合の処理

もし貸倒引当金が過剰であった場合、例えば実際に発生した貸倒れが予想よりも少なかった場合には、引当金の過剰分を取り崩して利益に計上する必要があります。この場合、貸倒引当金が過剰に積まれていることが判明した時点で、その余剰分を「貸倒引当金戻入」として仕訳処理します。

このように、貸倒引当金は実際の貸倒れに基づいて適切に調整されるため、残高が150,000円だからといって必ずその金額が使われるわけではなく、実際の回収不能額に応じて処理が行われます。

まとめ

簿記三級の問題において「貸倒引当金の残高が150,000円であった」という記載がある場合、その金額は回収不能額に対して適切に使われるべきであり、回収不能額が100,000円であれば、その金額だけが仕訳処理に使用されます。残りの引当金は次回以降の貸倒れに備えて繰り越され、過剰な場合には戻入処理を行うことになります。

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