簿記の決算整理において、帳簿残高と実際有高の差額が発生することがあります。このような差額をどのように仕分けるかは、簿記の重要なポイントです。今回は、現金の差額とその処理方法について、具体的な仕分け例を紹介します。
1. 現金差額の概要
決算整理前残高試算表では、現金の帳簿残高が155,700円で、実際有高は154,700円となっています。この差額1,000円のうち、1,200円は旅費交通費の記入漏れであることが判明しましたが、残りの差額は不明です。この不明な差額について、雑損または雑益として処理する必要があります。
2. 仕訳の基本
仕訳の際、まず確認すべきは、記入漏れが発生した場合の処理方法です。旅費交通費の記入漏れが判明した場合、その金額は旅費交通費として仕訳を行います。次に、不明な残額については、雑損や雑益として処理します。雑損や雑益は、通常、収益や費用として計上する項目です。
3. 具体的な仕分け例
このケースでは、旅費交通費の記入漏れ1,200円を修正する仕訳と、不明な残額800円の処理が必要です。以下の仕訳が考えられます。
- 旅費交通費の記入漏れの仕訳
- 借方：旅費交通費 1,200円
- 貸方：現金 1,200円
- 残額の処理（雑損として処理する場合）
- 借方：雑損 800円
- 貸方：現金 800円
4. 雑損・雑益の扱い
雑損や雑益は、通常の営業活動とは関係ない費用や収益です。そのため、決算整理で発生した差額の原因が不明な場合は、雑損として処理することが一般的です。しかし、原因が明確な場合や特定の取引によるものであれば、適切な科目を使って処理します。
5. まとめ
決算整理前残高試算表で現金の差額が発生した場合、原因を特定して適切に仕訳を行うことが重要です。記入漏れが判明した場合、その分を修正し、不明な差額は雑損や雑益として処理します。簿記の仕訳は基本的なルールを押さえた上で、柔軟に対応することが大切です。
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