日商簿記2級の成果連結における未実現利益の消去時に、なぜ親会社と非支配株主が利益の減少分を負担するのでしょうか?また、なぜ全額を子会社が負担すべきではないのか、この点について詳しく解説します。
成果連結とは?
成果連結は、親会社と子会社を一体として見るための会計処理です。この方法では、親会社の財務諸表に子会社の収益や費用を取り込み、連結財務諸表を作成します。未実現利益の消去は、グループ内での取引で発生する利益が、外部に対して実現していない場合に行われる重要な処理です。
未実現利益の消去とは?
未実現利益とは、グループ内で親子間の取引で発生した利益で、外部に販売されていない商品や資産に含まれる利益を指します。これを消去することで、グループ全体で実現された利益のみを計上することができます。例えば、親会社が子会社に商品を販売し、その商品がまだ売れていない場合、この取引で発生した利益は未実現利益です。
親会社と非支配株主が利益の減少分を負担する理由
未実現利益の消去時に親会社と非支配株主が利益の減少分を負担するのは、両者がグループ内で共有する経済的な利益に基づいています。親会社は子会社の支配株主であり、非支配株主は少数株主として利益の一部を享受しています。このため、未実現利益を消去する際には、親会社と非支配株主がそれぞれの所有割合に基づいて減少分を負担する必要があります。
全額子会社が負担するべきではない理由
全額を子会社が負担すべきではない理由は、子会社が親会社の支配下にあるからです。親会社が子会社の業績を統括し、その影響を最終的に受けるため、グループ全体としての利益や損失を反映する必要があります。したがって、親会社と非支配株主が、消去される未実現利益の負担をすることが合理的です。
まとめ
未実現利益の消去において親会社と非支配株主が利益の減少分を負担する理由は、グループ内の経済的利益を公平に反映するためです。これにより、グループ全体で実現された利益のみが財務諸表に反映され、正確な財務状況が示されることになります。
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