企業間での取引は、特に未上場企業や小規模な企業においても頻繁に行われますが、売上のやり取りが税務上問題を引き起こすことはないのか、また実際のところどうなのかについては疑問が生じることもあります。この記事では、AからBへの売り上げと、BからAへの売り上げという形で行われる取引が税務上問題ないのかについて解説します。
企業間の取引はよくあることか？
AとBという2つの会社間で業務委託契約を結び、例えばAがBに300万円でサービスを提供し、その後BがAに対して100万円の売上を上げるといったケースは、実務上よく見られます。このような取引は特に珍しくなく、複数の事業者間で同様の取引が行われている場合が多いため、問題視されることは基本的にありません。
重要なのは、両者の取引が実態に基づき、適切に契約が結ばれていることです。例えば、ホームページ制作やコンサルティングなどの業務が提供されていることが確認されていれば、形式的には問題ないと考えられます。
税務上の問題はないか？
税務上の問題が生じるかどうかは、取引の実態に加えて、取引価格やその内容が正当であるかどうかに依存します。仮にA社とB社の間で行われた取引が市場価格に照らし合わせて不自然に安い場合や、売上金額の調整が意図的に行われている場合は、税務署により不正取引として疑われる可能性もあります。
また、税務署が注目するのは取引の内容が「実際に行われたこと」を示す証拠です。もしホームページ制作やコンサルティング業務が実際に行われているのであれば、問題ないと言えるでしょう。ただし、過度に取引額が大きすぎる、あるいは市場価格に比べて不自然に低すぎるといった場合は注意が必要です。
実務上の注意点
実際のところ、AとB間で業務委託契約を結び、サービスを提供し合うことは一般的なビジネスの形態です。ただし、取引内容が明確であること、そして価格設定が市場に即していることが前提です。税務署が取引内容に問題を感じる場合、その取引が不自然だと判断されることがあります。
したがって、売上金額が高額である場合や、取引の内容が不透明であると感じた場合には、税務署に報告されたり、指摘されたりするリスクがあることを認識しておくことが重要です。できるだけ正確な記録を保持し、正当性を証明できる書類や証拠を整えておくことが推奨されます。
まとめ
AとB間での取引が実際に行われており、その取引内容が適切であり、価格設定が市場に合ったものであるならば、税務上の問題が生じることは少ないと言えます。しかし、取引額が不自然に大きかったり、内容に不透明な部分があったりする場合には、税務署から疑念を抱かれることがあります。取引の証拠を適切に整え、実務に則った形での取引を行うことが大切です。
