後入先出法の食い込みとは？保有損益の解説

後入先出法（LIFO）や保有損益に関する理解は、会計や経済学の分野で非常に重要です。この記事では、後入先出法における「食い込み」の意味とその状況、さらに保有損益が何を指すのかについて、具体例を交えて解説します。

後入先出法（LIFO）の基礎

後入先出法（LIFO）は、在庫の評価方法の一つで、最新に仕入れた商品が最初に売れると仮定して計算を行います。これにより、売上原価が最新の仕入れ単価に基づいて算出され、残った在庫は古い仕入れ単価で評価されます。

例えば、10個を100円で仕入れ、その後に20個を120円で仕入れた場合、LIFOを適用すると、最初に売れるのは120円で仕入れた商品となります。これにより、売上原価が120円で計算され、在庫には100円の商品が残ります。

「食い込み」という用語は、後入先出法において、仕入れた商品が売れずに残ることを指します。特に、売上が低調な場合や在庫が過剰な場合に、最新の仕入れが先に売れず、古い在庫が残る状況を指すことが多いです。

食い込みが発生すると、売上原価が過大に計上され、利益が圧迫されることがあります。例えば、売れ残った120円の商品がそのまま残っている場合、在庫評価は古い商品の100円ではなく、120円の仕入れ単価で評価されるため、利益が減少します。

保有損益は、企業が保有する資産や在庫の現在の価値と、購入した際の価値との間に生じた差額を指します。これは、評価換えの結果として発生し、売却していない場合でも、帳簿上での利益または損失が計上されます。

例えば、後入先出法を使用している企業が、在庫を最新の価格で評価している場合、在庫の保有損益は、その商品の市場価格が購入価格を上回っていれば利益、逆に下回っていれば損失として扱われます。

後入先出法を適用している場合、食い込みが発生すると、売上原価が最新の高い仕入れ価格を基に計算されます。この結果、利益が圧迫され、企業の決算に影響を与える可能性があります。

特にインフレ時には、仕入れ価格が高騰するため、LIFOを適用する企業は、利益が少なく計上される傾向があります。しかし、食い込みを避けるためには、在庫の回転率を改善し、適切な在庫管理を行うことが重要です。

後入先出法における食い込みは、最新に仕入れた商品が売れずに残り、在庫評価や利益に影響を与える状況を指します。保有損益は、資産や在庫の市場価値と購入時の価値との間で発生する差額を意味します。これらの概念を理解することで、企業の財務状態や会計処理の重要な部分を把握することができます。