企業会計において、連結財務諸表を作成する際に重要な概念として「部分時価評価法」と「全面時価評価法」があります。これらは、親会社が子会社の株式を取得した時点での評価方法を指します。具体的な違いや仕組みについて理解を深めるために、この記事ではその違いと、なぜそれぞれの方法で評価が異なるのかを解説します。
部分時価評価法とは
部分時価評価法では、親会社が子会社の株式を取得した時点で、その株式を時価で評価しますが、評価は取得日ごとに行います。この評価方法では、親会社の持分だけを時価評価するため、実際にどのくらいの価値を持つのか、時価の変動に応じて継続的に評価される点が特徴です。例えば、親会社が持つ子会社の株式が市場で取引されていれば、その時価に基づいて評価されます。
全面時価評価法とは
全面時価評価法は、取得日における子会社全体の時価を評価し、その後は固定の評価を行います。つまり、子会社の全ての資産や負債が時価で評価され、親会社の持分も含めた評価がなされるのです。この方法では、取得後の評価変更は行われず、評価は1回限りで行われるため、時価変動の影響を受けません。
持分比率と評価方法の関係
質問の中で「どちらにおいてもタイムテーブルでは×持分比率で親会社持分として部分的に評価していませんか?」という点についてですが、部分時価評価法では親会社が取得した持分比率に基づき、その持分を部分的に評価するため、持分比率が評価に影響を与えます。一方、全面時価評価法では、全体の時価を一度評価するため、持分比率に基づく部分的な評価は行われません。この違いを理解することが重要です。
実際の評価方法の適用
企業がこれらの評価方法をどのように適用するかは、会社の財務戦略や会計方針により異なります。例えば、投資家向けに安定的な価値を示したい場合、全面時価評価法が採用されることが多いです。逆に、時価の変動に敏感に反応したい場合や、短期的な投資評価を重視する場合は、部分時価評価法を選択することがあります。
まとめ
部分時価評価法と全面時価評価法の違いは、評価のタイミングと範囲にあります。部分時価評価法では取得日ごとに時価評価し、親会社の持分比率に基づいて部分的に評価されるのに対し、全面時価評価法では取得日に全体の時価を評価し、その後は評価変更を行わないという特徴があります。どちらを採用するかは企業の戦略に依存し、目的に応じた選択が重要です。