建設業の経理担当として、月・期ごとの費用や売上の比較を行いたい場合、どの数字を拾ってどのように分析すればよいか迷うことがあるかもしれません。この記事では、合計残高試算表を活用した推移の把握方法や、効果的な資料作成のコツについて解説します。
合計残高試算表を使った費用・売上の推移分析方法
まず、合計残高試算表は、会計データを集計したものですが、これを用いて月ごとや期ごとの費用や売上の推移を分析するためには、各勘定科目の「残高」を基に分析を行います。
たとえば、消耗品費の金額が「前残15,000,000」「借方1,800,000」「貸方0」「残高16,800,000」と記載されている場合、この残高16,800,000円がその月の消耗品費の金額になります。したがって、月ごとに残高を追いかけていくことで、費用の推移を把握することができます。
売上や費用の比較に使うべきデータ
月・期ごとの売上や費用を比較するためには、合計残高試算表の「売上高」「費用科目」を取り出して、その変動を追跡します。例えば、売上高は「売上高科目」から、費用は「消耗品費」「外注費」「人件費」などの勘定科目から取得し、月ごとの変動をグラフなどで可視化すると、傾向を一目で把握できます。
また、過去のデータと比較することで、売上や費用が増加しているのか、減少しているのかのトレンドを分析できます。この分析を基に、今後の予測や経営判断を行うことが可能です。
社長が求める数字の把握方法と資料作成
社長から「数字を把握してほしい」と言われた場合、単に数値を追うだけでなく、分析を加えることが求められます。まずは、主要な勘定科目の残高や推移を把握し、どの費用が増えているのか、売上がどの程度伸びているのかを把握します。
その後、これらのデータを基に予算管理を行い、グラフや表で可視化して報告書を作成します。Excelなどのツールを使い、費用や売上の推移を「折れ線グラフ」や「棒グラフ」などで表示すると、視覚的に理解しやすくなります。
建設業簿記2級の資格を活かすための実務との連携
建設業簿記2級を取得することは、経理業務に対する理解を深めるために非常に有益です。資格を活かすためには、日々の実務において学んだ知識をどのように活用するかが大切です。例えば、工事原価の管理や税務処理について学んだ内容を実務に反映させることで、より効率的に業務を進められます。
資格の勉強を進めつつ、日々の経理業務で実践的なスキルを身に付けることが、最終的には会社全体の数字を把握し、経営に役立てるための力になります。
まとめ:建設業経理のデータ分析と資料作成のポイント
建設業経理の業務で売上や費用の推移を把握するためには、合計残高試算表から必要な勘定科目を抽出し、月・期ごとの比較を行うことが基本です。さらに、これらのデータを基に、グラフや表を使って分かりやすく可視化し、社長に報告することが求められます。
建設業簿記2級の資格を取得することで、より深い知識を得ることができ、実務でも役立つスキルを身につけることができます。日々の業務に資格で得た知識を活かし、経理業務を効率的に進めていきましょう。