簿記1級の学習で出てくる「線形計画法（リニア・プログラミング法）」は、最適なセールス・ミックスを決定するための有力な方法ですが、設備投資の意思決定における計算方法とは異なります。しかし、線形計画法を用いて製品のセールス・ミックスを決定し、その後の設備投資の経済性計算に役立てることはあります。ここでは、この点について詳しく解説していきます。
線形計画法とは？
線形計画法（リニア・プログラミング法）は、限られた資源（時間、原材料、人員など）を使って、最も効果的な結果を得るための方法です。特に、複数の選択肢から最適な生産計画を立てる際に役立ちます。例えば、製品のセールス・ミックスを決定する際に、限られた資源を使って最大の利益を得るための最適解を導き出すために使われます。
この方法では、製品ごとに利益や必要なリソースが与えられ、それらを最適化するための数式を使って解を求めます。
設備投資の意思決定とは？
設備投資の意思決定は、会社が新しい機械や設備を導入するかどうかを決定するプロセスです。これには、将来的な利益を予測し、現在の支出と未来の利益を比較する必要があります。設備投資は、企業の生産能力を向上させるために必要な投資であり、投資の判断を行う際には、経済性を重視します。
設備投資の経済性計算には、NPV（正味現在価値）やIRR（内部収益率）などの指標が使われ、これらを基に、どの設備を導入すべきかの判断を行います。
線形計画法と設備投資の関係
線形計画法は直接的に設備投資を決定するための方法ではありませんが、製品のセールス・ミックスを決定した後に、それに基づいて設備投資を行う際に役立つ情報を提供することがあります。例えば、どの製品の生産を増やすべきかが決まった場合、その製品の生産を支えるためにどの設備を導入すべきかを計画する際に、設備投資が必要になるわけです。
このように、最適な生産計画を立てるために線形計画法を使用し、それに基づいて設備投資の経済性計算を行うという流れが一般的です。
結論
線形計画法は、設備投資の意思決定に直接関わるものではありませんが、製品のセールス・ミックスを決定するための強力なツールであり、その結果を基に設備投資の判断をすることができます。設備投資の経済性計算には、最適な生産計画を立てるためのリソースを提供する点で、線形計画法が間接的に関与する形となります。
つまり、線形計画法は、設備投資に先立ってどの製品をどれだけ生産するかを決定するためのステップとして重要な役割を果たします。設備投資を検討する際には、まず線形計画法を用いて生産計画を最適化し、その後に経済性計算を行うという流れが自然です。
