建設業の請求書処理における出来高と請求額の関係: 仕組みとよくある疑問

会計、経理、財務

建設業における請求書の処理は、一般的な請求書とは少し異なる仕組みがあるため、特に出来高の管理や請求額の計算で疑問を持つことがあります。この記事では、建設業でよく見られる出来高請求の仕組みと、具体的な請求書の内容に基づいた解説を行います。

建設業の請求書と出来高の計算方法

建設業の請求書には「出来高」や「進捗状況」に基づく金額の計算が含まれています。出来高とは、契約に基づき進捗した工事の割合を示しており、その割合に応じた金額を請求するという方法です。請求額はこの出来高に対して一定の割合を掛け算したものです。

例えば、契約金額350,000,000円に対して10%の出来高が達成された場合、請求額は35,000,000円となります。ただし、請求額には「9割」という条件がついており、35,000,000円のうちの9割、つまり31,500,000円が実際に請求されます。

3月請求書と4月請求書の仕訳の違い

質問にあるように、3月と4月の請求書には一見矛盾があるように感じる部分があります。具体的には、3月の請求書では10%の出来高に対して31,500,000円が請求されていますが、4月の請求書では出来高0%と記載されているにもかかわらず、31,500,000円の既受領額が記載されています。

この点については、3月の請求書で請求された31,500,000円が「既受領額」として記載されており、4月請求書ではそれに対する残額の請求が行われているためです。出来高0%という記載は、実際の工事の進捗が0%であることを意味しているだけであり、過去に請求された金額が引き継がれているため、請求額が発生しているのです。

「出来高9割請求」の仕組みとその意図

建設業において、出来高に対して9割の金額を請求するという仕組みは、工事の進捗を反映するための重要な特徴です。これは、工事が完了するまでに必要な資金を前もって回収するためのもので、実際の工事が完了する前に発生する一部のコストをカバーする目的で行われます。

この仕組みでは、最終的な請求額は工事の完了時に決定されることが一般的で、最初に請求される金額はあくまで進捗に応じた前払いとして扱われます。そのため、4月請求書で出来高0%でも過去の請求額が引き継がれているという形になります。

請求書処理における注意点

請求書を処理する際には、出来高に基づく請求の計算方法を正確に理解しておくことが重要です。また、工事の進捗状況や過去の請求額との関連を明確に把握しておくことも大切です。

さらに、契約書に記載された条件(出来高の計算方法、請求額の割合など)を常に確認し、その通りに請求額を計算していくことが、適切な請求書処理を行うための基本です。

まとめ

建設業の請求書では、出来高請求の仕組みを理解することが重要です。出来高に基づく請求額の計算や、過去の請求額がどのように引き継がれるかを確認することで、請求処理を正確に行うことができます。質問のようなケースでは、請求額が過去の請求額を引き継いでいることを理解し、その流れに沿った処理を行うことが必要です。

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