簿記二級の工業簿記では、製造原価報告書に基づいて総勘定元帳に転記する問題が出題されることがあります。特に、賃金給料の消費高と原価差異の求め方は、初心者にとって少し難しい部分かもしれません。この記事では、この問題をどのように解くかを分かりやすく解説します。
製造原価報告書と総勘定元帳の関係
製造原価報告書は、企業の製造活動における費用の構成を詳細に示す報告書です。ここでは、原材料費、労務費、経費などの製造にかかるコストを管理します。これに基づいて、総勘定元帳に転記されるのは、企業の費用項目を正確に記録するためです。
問題文にある「直接労務費」4000000円は、製造原価の一部であり、これに基づいて賃金給料の消費高と原価差異を求める必要があります。
賃金給料の消費高の求め方
「消費高」とは、実際に使われた賃金給料の総額を示します。計算式は次のようになります。
消費高 = 支払高 + 期末未払高 - 期首未払高
具体的な数値を入れてみましょう。問題文には、以下のような情報があります。
- 支払高:5900000円
- 期末未払高:1500000円
- 期首未払高:1300000円
この情報を基に、消費高を計算すると。
消費高 = 5900000 + 1500000 - 1300000 = 6000000円
したがって、消費高は6000000円となります。
原価差異の求め方
「原価差異」とは、計画と実際のコストとの差を示します。この場合、直接労務費が4000000円となっているため、計画された賃金給料と実際に使われた賃金給料との間に差が生じることがあります。
計算式は次の通りです。
原価差異 = 実際の消費高 - 計画された賃金給料
実際の消費高が6000000円、計画された賃金給料が4000000円なので、原価差異は。
原価差異 = 6000000 - 4000000 = 100000円
この結果、原価差異は100000円となります。
問題を解く際のポイント
簿記二級の工業簿記では、消費高や原価差異を求める問題が出題されることがありますが、重要なのは与えられた情報をどのように整理して計算するかです。特に、支払高や未払高などの項目は問題文にしっかりと注目し、計算式を間違えないようにしましょう。
また、過去問を解くことで出題傾向を把握し、計算に慣れておくことも重要です。
まとめ
製造原価報告書を基にした賃金給料の消費高と原価差異の求め方は、簿記二級工業簿記の重要なポイントです。問題を解く際には、支払高、期末未払高、期首未払高を使って消費高を計算し、原価差異を求めるための基本的な計算式を覚えておくことが大切です。
また、問題を解く際には慎重に計算し、確認作業を行うことで正確な答えにたどり着けます。これらの手順を踏んで、簿記二級工業簿記の試験をしっかりと乗り越えましょう。