個人事業主として約10年にわたり事業を行ってきたものの、開業届を出した記憶がないという方も少なくありません。開業届が未提出のままであっても、確定申告さえ行っていれば問題ないのか、また、開業届の提出状況を確認する方法についても気になるところです。この記事では、開業届の提出確認方法や、確定申告との関係について解説します。
開業届を出していない場合のリスクとは？
まず、開業届を提出しないまま個人事業を営んでいる場合、税務署からの注意や指摘を受ける可能性があります。開業届は、事業を始める際に税務署に提出するもので、個人事業主としての基盤を作るための重要な手続きです。開業届が提出されていないと、青色申告の特典を受けることができない、あるいは税務署からの追跡調査を受けやすくなるなど、税務上のデメリットが生じることがあります。
とはいえ、確定申告を行っているのであれば、最低限の税務手続きは済んでいると言えるため、開業届を出していないからといってすぐにペナルティが課せられるわけではありません。しかし、事業が長期間にわたる場合、正規の手続きを整えておくことが望ましいと言えます。
開業届が提出されているか確認する方法
開業届を提出したかどうかの確認方法は比較的簡単です。最も確実な方法は、管轄の税務署に問い合わせることです。税務署には、過去の申告内容や提出された書類が保存されていますので、開業届が提出されているかどうかを確認することができます。
また、税務署に行かなくても、税務署に直接問い合わせるか、マイナンバーを使ってオンラインで確認することも可能です。マイナンバーを使ったオンラインでの確認方法に関しては、国税庁のウェブサイトに詳細が掲載されていますので、そちらも参考にすると良いでしょう。
確定申告をしている場合の対応方法
開業届を出していなくても、毎年確定申告をしていれば、税務署には事業をしていることが記録として残ります。確定申告は、個人事業主として事業所得を申告する手続きですが、これがしっかりと行われていれば、開業届を提出していないことが直接的な問題になることは少ないです。
しかし、確定申告をする際には「青色申告承認申請書」の提出が求められます。もし開業届を出していなければ、青色申告の特典を受けることができないため、白色申告での申告となり、税制上の優遇措置が受けられません。この点を改善するためには、開業届を提出し、青色申告を申請する必要があります。
開業届未提出でも可能な手続きと今後の対策
もし開業届を提出していない場合でも、後から提出することは可能です。事業を始めたタイミングから遡って申告を行うこともできますので、早急に手続きを行いましょう。開業届を提出する際には、税務署に申請書類を提出するだけでなく、必要に応じて青色申告の申請を行うことができます。
また、開業届を提出した後でも、毎年の確定申告をきちんと行い、必要な経費の計上や所得の申告を正確に行うことが重要です。これにより、税務署からの指摘や調査を回避することができます。
まとめ
開業届を提出していない場合でも、確定申告を行っていれば最低限の税務手続きは果たしています。しかし、青色申告の特典や税務上のリスクを回避するためにも、開業届の提出は早急に行うことが望ましいです。確認方法や手続きについては、税務署への問い合わせやオンラインでの確認が可能ですので、早めに確認し、必要な対応をしましょう。
