企業の決算発表において、「減益」と聞くと純利益を指すことが多いですが、営業利益や経常利益が減少した場合には「減益」とはあまり報じられません。なぜ、純利益が減少した際だけ、「今期最終は〇〇%減益」といった形で報じられるのでしょうか?この記事では、純利益とその他の利益指標との違い、そしてメディアがどのように報じるかについて解説します。
利益の種類とその意味
企業の利益にはいくつかの種類があり、各指標は企業の業績を測るために重要な情報を提供します。主な利益指標としては、「営業利益」「経常利益」「純利益」の3つがあります。
営業利益は、企業の本業での利益を示し、経常利益は営業活動に加えて、金融収支や特別損益なども考慮した利益です。純利益は最終的な利益で、税引後の最終的な利益を指します。これらの指標が減少した場合にどのように報じられるかは、報道の観点や読者の理解しやすさを考慮した結果です。
純利益が減少したときの報道スタイル
企業の決算が発表されるとき、メディアは「減益」という言葉を多く使いますが、これは主に純利益の減少を指しています。純利益の減少は、企業の最終的な利益の減少を意味するため、投資家や経済関係者にとって最も影響が大きい指標とされています。
例えば、「三井物産の今期最終は14%減益」というニュースが報じられる際、純利益が減少したことが示されています。このように報じられる背景には、純利益が企業の全体的なパフォーマンスを最も直接的に反映するため、注目されやすいという点があります。
営業利益や経常利益が減少した場合の報道
営業利益や経常利益が減少しても、純利益ほど注目されることは少ないです。営業利益は企業の主力事業から得た利益を示し、経常利益は営業利益に加え、金融活動や非営業活動から得た利益も含まれます。
これらの利益が減少しても、企業が本業でどれだけ利益を出しているか、または金融活動で損失を抱えているかといった詳細を知ることができますが、メディアは純利益に比べてこれらの指標を深く掘り下げることは少なくなります。営業利益や経常利益が減少した場合、減益とは報じられにくいのです。
純利益の減少が報じられる理由
純利益が減少するということは、企業の税引き後の最終的な利益が減ったことを意味し、投資家にとって最も重要な情報です。そのため、メディアは純利益の減少を「最終的な結果」として大きく取り上げ、企業の業績が悪化したことを広く伝えます。
また、純利益の減少は企業の経営状況に直結するため、株価にも大きな影響を与える可能性があります。そのため、経済ニュースでは純利益の減少に焦点を当てて報じることが一般的です。
まとめ
純利益、営業利益、経常利益の違いを理解することで、企業の業績をより深く理解できます。特に「減益」という言葉が使われる場合、それが純利益の減少を指すことが多く、企業の最終的なパフォーマンスが注目されています。営業利益や経常利益が減少した場合には、それほど注目されることは少ないですが、純利益の減少は企業の経営全般に大きな影響を与えるため、報道で取り上げられやすくなっています。