有給休暇の申請に関して、勤務先から却下される場合があります。その理由として、会社が時季変更権を行使することがありますが、この場合の法律的な理解が重要です。本記事では、有給申請が却下された場合、時季変更権がどのように関係するのか、そしてその対応方法について解説します。
有給休暇の取得についての基本的な権利
日本の労働基準法において、有給休暇は全ての労働者に与えられた権利です。従業員は、労働契約に基づいて一定の勤務年数を経過すると、有給休暇を取得することができます。企業は基本的にこの権利を尊重し、従業員が希望する時期に有給を取得できるようにすべきですが、業務上の理由で一定の制限が設けられることもあります。
しかし、有給休暇の取得を企業が不当に拒否することは違法となるため、注意が必要です。
時季変更権とは?
時季変更権とは、労働基準法第39条に基づき、企業が有給休暇の取得時期について変更を求めることができる権利です。しかし、これはあくまで例外的な措置として認められており、企業には明確な理由が必要です。
時季変更権を行使するためには、企業は以下の条件を満たす必要があります。
- 業務の運営に著しい支障をきたす恐れがある場合
- 業務の規模や人員の配置によってどうしても休暇を取れない場合
- 他の合理的な方法で業務の調整ができない場合
企業が上記のような理由を示さない場合、時季変更権の行使は不当となります。
有給申請の却下理由が時季変更権によるものか確認する方法
質問のように、「毎回、同じ曜日に却下される」といったケースでは、企業側が時季変更権を不当に行使している可能性があります。特に「人がいないから」や「○○日だから」といった理由だけでは、正当な理由として認められません。
もし、企業が時季変更権を行使していると感じる場合、その理由や背景について詳細に確認することが大切です。例えば、以下の点を確認してみましょう。
- なぜその曜日に休むことができないのか、具体的な業務上の理由を聞く
- 業務の負担や人員配置が本当にそのような制約を生んでいるのか確認する
これらをしっかりと確認することで、適切な対応が可能になります。
不当な却下に対する対応方法
もし、企業からの却下が不当だと感じた場合、まずは上司や人事部門にその理由を明確に説明してもらうことが重要です。場合によっては、労働基準監督署に相談することも検討してみましょう。
また、就業規則や契約書に記載されている休暇の取り方に関する規定を再確認し、適切な手続きを踏んで対応することが必要です。
まとめ
有給休暇の申請が却下される理由として、時季変更権が関係している場合がありますが、その行使には正当な理由が必要です。企業側が不当な理由で有給休暇を拒否している場合、適切に対応するためには、まずその理由を確認し、必要であれば労働基準監督署に相談することが重要です。労働者としての権利を守るためには、適切な対応を心掛けましょう。