有形固定資産の移動は、複数の会計が存在する場合にどう仕訳をするかが悩ましい問題となります。特に、同じ会社内で複数の部門や会計が存在する場合、その処理方法を正確に理解することが重要です。この記事では、有形固定資産を別々の会計に移動する際の仕訳方法について解説します。
有形固定資産の仕訳の基本
有形固定資産を移動する際、通常は資産の増加と減少が発生します。これに伴って、適切な仕訳を行うことが求められます。一般的に、資産の増加は借方に記入し、減少は貸方に記入します。
例えば、ある部門から別の部門に有形固定資産を移動させる場合、元の部門ではその資産が減少するため、貸方に記入され、新しい部門ではその資産が増加するため、借方に記入されます。このように、貸方と借方は資産の移動先と移動元によって決まります。
複数の会計が存在する場合の仕訳方法
同一会社内に複数の会計があり、有形固定資産を一方の会計から他方の会計に移動させる場合、移動先の会計ではその資産を「取得」したとして借方に記入し、移動元の会計ではその資産を「除却」したとして貸方に記入します。
具体的には、次のような仕訳が考えられます。
移動元の会計（貸方）
有形固定資産 100,000円 / 諸口（あるいは移動用口座） 100,000円
移動先の会計（借方）
諸口（あるいは移動用口座） 100,000円 / 有形固定資産 100,000円
仕訳の注意点
仕訳を行う際には、必ず両方の会計で同一の金額を記録する必要があります。移動先と移動元の会計で「資産の増加」と「資産の減少」を正しく反映させるために、必要な金額や勘定科目を正確に入力することが求められます。
また、移動した有形固定資産がその後、修理や再評価を受ける場合、再評価の仕訳も忘れずに行いましょう。評価額が変わることで、今後の減価償却費に影響を与える可能性があるためです。
まとめ
有形固定資産の移動に関する仕訳は、複数の会計が関与する場合でも、基本的な仕訳の原則に従って処理できます。移動先の会計では借方に記入し、移動元の会計では貸方に記入することで、資産の増減を適切に反映させることができます。
また、仕訳においては、各勘定科目や金額を正確に記録することが非常に重要です。仕訳を行う前に、資産の移動に関する手続きをしっかりと理解しておくことで、適切な会計処理ができるようになります。
