簿記や会計の問題でよく出てくる「損益計算書」と「貸借対照表」ですが、その使い方や計算方法について混乱することもあります。特に、同じ「当期純利益」を算定する方法でも、使用する計算方法によって異なるアプローチが取られます。この記事では、質問にある3つの文章の正誤を解説し、それぞれの違いを詳しく説明します。
損益計算書を用いて当期純利益を計算する方法を損益法という
まず、損益計算書を用いて当期純利益を計算する方法に関する記述についてです。損益計算書は、企業の一定期間における収益と費用を記載した財務諸表で、最終的に「当期純利益」を算出します。この計算方法は「損益法」として広く知られています。
したがって、この文は正しいといえます。損益法は、収益から費用を引くことで純利益を求める手法で、会計基準でも一般的に使用されます。
貸借対照表で算定された当期純利益と損益計算書で算定された当期純利益は必ず同じになる
次に、貸借対照表と損益計算書で算定された当期純利益が必ず同じになるという文についてですが、これは誤りです。
貸借対照表は、企業の財政状態を示すもので、資産、負債、純資産のバランスを示します。一方、損益計算書は一定期間の収益と費用を計上し、当期純利益を算出するため、両者で算出された利益が必ずしも一致することはありません。
したがって、この記述は誤りです。損益計算書は期間ごとの経営成績を示し、貸借対照表は企業の財政状態を示すため、当期純利益の計算方法が異なります。
財産法では、期末資産合計－期首資産合計＝当期純利益になる
最後に、財産法に関する記述ですが、財産法は資産の変動を基にして企業の利益を算定する方法です。具体的には、期末の資産合計から期首の資産合計を引き、その差額が当期純利益とされています。
財産法は、主に税法や企業評価の一環として使用される方法ですが、一般的な会計基準における損益計算書の計算とは異なります。したがって、この記述は正しいです。
まとめ：会計の基本を理解しよう
今回の問題では、損益計算書と貸借対照表、そして財産法の違いに焦点を当てて解説しました。最も不適切な記述は「貸借対照表で算定された当期純利益と損益計算書で算定された当期純利益は必ず同じになる」というものです。
会計や簿記を学ぶ際には、各財務諸表の役割やその計算方法についてしっかりと理解することが大切です。これにより、正確な財務分析や経営判断ができるようになります。
