製缶図面における溶接指示の適切な書き方と分担方法

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製缶図面において溶接指示をどのように記載するかは、設計段階で非常に重要な問題です。特に、溶接記号をすべて記載するか、あるいは特記を使って省略するかについては悩むことも多いでしょう。この記事では、溶接指示の書き方や、設計と他部門(資材や外注業者)との役割分担について詳しく解説します。

溶接記号をすべて記載する必要があるか?

製缶図面において、すべての溶接部に溶接記号を記載する必要があるかどうかは、基本的には設計者の判断に委ねられます。しかし、業界標準や作業の安全性、品質を保つためには、重要な箇所に適切な溶接指示を記載することが求められます。

質問者のように「特記で指示がない場所は全て全周溶接とする」という方法は一般的には許容されますが、すべての部分に溶接記号を記載することが推奨されるケースもあります。これは、溶接作業者や製造工程での誤解を防ぐためです。

溶接記号を省略する場合の留意点

溶接記号を省略する場合、設計者がしっかりと判断を行い、作業者や外注業者が正確に理解できるように記載することが重要です。質問者の方法のように「全周溶接」や「隅肉溶接」などを省略して指示する場合でも、その範囲や意図を明確にするための指針を設けることが必要です。

また、部材の厚さや開先の形状に応じて、溶接記号を適切に設定することが、製品の品質に大きく影響します。特に、「板厚0.8」や「開先0.7」のような仕様に基づいて適切な溶接方法を選択することが、後々のトラブルを防ぐことになります。

設計、資材、外注業者との役割分担

質問者の会社が「設計→資材→外注」という流れで分担している場合、設計段階で全ての溶接指示を行うことが理想的ですが、実際には外注業者に任せる部分も出てきます。そのため、設計図面に明確な指示を記載し、外注業者とのコミュニケーションをしっかりと取ることが重要です。

資材部門は、設計図に基づいて部材を調達しますが、溶接方法や溶接部位に関する具体的な指示は設計者が責任を持つべきです。外注業者には作業内容を明確に伝え、必要に応じて追加の確認を行うことで、誤解や不明点を解消できます。

分解図を含めた製缶図面の作成

製缶図面には、分解図を含めるかどうかは案件によって異なります。一般的には、製缶作業に必要な全ての情報を詳細に伝えることが求められます。分解図を用いることで、構造や溶接箇所を視覚的にわかりやすく表現できるため、特に複雑な構造の場合には有効です。

ただし、分解図を作成することには時間と労力がかかるため、図面量が多い場合は、適切な方法で効率化を図ることが求められます。簡素化した図面であっても、必要な情報を正確に伝えることが最も重要です。

まとめ

製缶図面での溶接指示は、設計者の責任において正確に行う必要があります。溶接記号をすべて記載するかどうかは状況に応じて判断し、特記を使用して指示することも許容されます。ただし、作業者や外注業者が理解できるように、必要な情報を漏れなく記載することが大切です。また、分解図を作成することで、複雑な構造や溶接箇所を明確にすることができ、品質管理にも役立ちます。

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