損害賠償請求をしても、相手に資産がない場合、請求が実行できないという話をよく耳にします。しかし、資産がない場合でも、裁判所を通じて相手の給料を差し押さえることは可能です。この記事では、相手に資産がない場合の損害賠償請求方法として、給料差し押さえの手続きを解説します。
給料差し押さえとは?
給料差し押さえは、裁判所を通じて債務者の給与を差し押さえる手続きです。これにより、債務者が定期的に得る給与の一部を、直接裁判所が債権者に支払うことができます。この方法を使うことで、相手に資産がなくても、定期的な支払いを強制することが可能です。
給料差し押さえを行う場合、裁判所に対して申し立てを行い、相手の勤務先に通知が送られます。その結果、債務者の給与から指定された額が差し引かれ、直接あなたの口座に支払われます。
相手の職場を替えた場合でも追跡は可能か?
相手が職場を替えた場合でも、給料差し押さえは有効です。もし相手が転職した場合、新しい勤務先にも差し押さえの通知を送ることができます。職場を替えたからといって、差し押さえが無効になるわけではありません。
ただし、相手の新しい勤務先を追跡する必要があります。この場合、裁判所が債務者の新しい勤務先に対して手続きを進めることになりますが、その情報を得るためには追加の手続きが必要になることもあります。
給料差し押さえの上限:毎月の差し引き額について
給料差し押さえの際、差し引くことができる金額には上限があります。一般的に、給与の25%までが差し押さえ可能とされています。この上限は、債務者の生活に必要な最低限の金額を確保するために設けられたものです。
例えば、月給が20万円の場合、25%にあたる5万円まで差し押さえられます。ただし、差し押さえる金額が給与の25%を超えることはできません。これは、債務者が生活するために最低限必要な額を確保するための規定です。
給料差し押さえの手続きの流れ
給料差し押さえを行うためには、裁判所を通じて手続きを進める必要があります。具体的な流れは以下の通りです。
- 裁判所への申し立て:まず、裁判所に対して「給料差し押さえの申立書」を提出します。
- 勤務先への通知:裁判所が債務者の勤務先に対して差し押さえの通知を送ります。
- 給与の差し引き:勤務先が差し押さえた金額を給与から差し引き、あなたの口座に振り込みます。
この手続きは、相手の給与が安定している場合に効果的に機能します。しかし、相手が無職である場合や、給与が不定期である場合は、他の方法を検討する必要があります。
まとめ:資産がない場合でも損害賠償は可能
相手に資産がなくても、給料差し押さえの手続きを通じて損害賠償を受けることができます。相手が職場を変更した場合でも、適切な手続きを踏めば給与の差し押さえを続けることが可能です。
ただし、給料差し押さえには上限があること、また手続きに時間がかかることも考慮しておく必要があります。最終的には、裁判所のサポートを受けながら手続きを進め、確実に賠償を受け取るための準備をしましょう。