経理職は簿記や会計学を学んだことがある人にとって魅力的な仕事ですが、実際にどのような業務を行っているのか、働く環境や生活がどうなるのか気になる方も多いでしょう。特に金融機関から経理職への転職を考えている場合、どんな職場環境が待っているのかを理解しておくことが大切です。
1. 経理職の主な業務内容
経理職では、企業の財務管理や帳簿記録を担当します。主な業務は仕訳や記帳、決算書作成ですが、それだけではありません。実際には、日々の取引の仕訳処理や月次・年次決算の準備、税務申告書の作成などが求められます。これらの作業は簿記の知識を活かせる部分ですが、実務では企業ごとのルールや使うソフトウェアに応じた対応が必要です。
例えば、簿記で学んだ基本的な仕訳の考え方はそのまま活用しますが、企業特有の勘定科目や経費処理、決算手順に関する理解が求められます。会計ソフトやERPシステムを使うことが多いため、PCスキルやシステム理解も重要なポイントです。
2. 経理職の働き方とコミュニケーション
経理職は基本的に「黙々と作業をする」というイメージがありますが、実際にはチームでの連携が求められる場面が多いです。月次・年次決算の際には、他部門との連携や上司との打ち合わせが頻繁に発生します。また、経理の仕事は企業全体の数字を管理しているため、経営陣からのフィードバックを受けることが多く、重要なコミュニケーションを取る機会もあります。
一方で、日常業務では仕訳や記帳を一人で進めることも多いため、個々の業務に集中する時間もあります。特に規模の小さい企業では、経理担当者が一人で全ての業務を担当する場合もありますが、大きな企業では経理部門がチームで分業して作業を進めます。
3. 経理職の残業とワークライフバランス
経理職は決算期になると忙しくなるため、残業が発生しやすい職業です。特に月末や年度末は締め作業や決算書類の準備が集中するため、長時間働くこともあります。しかし、通常の業務では比較的規則正しい勤務時間が多く、ワークライフバランスを保つことができます。
企業によっては、フレックスタイム制度や在宅勤務を取り入れているところもあり、柔軟な働き方ができることもあります。ただし、繁忙期における残業は避けられないため、その点について理解しておくことが大切です。
4. 経理職の職場環境とキャリアパス
経理職は企業にとって重要な役割を担っているため、キャリアパスがしっかりとしています。経理部門から経営企画や財務部門への異動、さらにはCFO(最高財務責任者)への昇進も可能です。経理の仕事を通じて、企業全体の経営状況を理解し、経営に関する戦略的な判断ができるようになります。
また、経理業務の中で得られる専門的な知識や資格(例えば、税理士や公認会計士)は、転職市場でも大きなアドバンテージとなります。経理職は比較的安定した職種であり、キャリアの成長機会が豊富です。
5. まとめ:経理職の転職前に知っておくべきこと
経理職は簿記や会計学の知識を活かせる仕事であり、安定したキャリアを築ける可能性が高い職種です。しかし、実際にはコミュニケーションや残業、仕事の繁忙期など、予想以上に忙しい場面もあります。転職を考える際は、これらの実務や職場環境を理解しておくことが大切です。
もし経理職に転職する場合は、最初は基本的な仕訳や記帳から始め、徐々に決算業務や税務関連の知識を身につけていくと良いでしょう。また、資格取得もキャリアアップに有効な手段となりますので、税理士や公認会計士の資格を目指すのも一つの方法です。