日商簿記2級 連結会計の手形取引の仕訳について解説

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日商簿記2級の連結会計における手形取引の処理は少し複雑ですが、しっかりと理解することで、確実に問題を解けるようになります。特に、質問にあった「受取手形2,000円」の仕訳について、詳細に解説します。これにより、連結仕訳の理解が深まり、仕訳の流れを把握できるようになるでしょう。

1. 連結会計の基本的な仕訳の流れ

質問にある通り、S社がP社に対して約束手形10,000円を振り出し、P社がその一部を銀行で割引いた場合、まず最初に行われるのは「連結内部の債権債務の相殺」です。具体的な仕訳としては、次のようになります。

(借)支払手形 10,000  (貸)受取手形 10,000

これにより、S社とP社間の債権債務が相殺され、連結財務諸表において相手方の手形が消去されます。

2. 残額2,000円に対する貸倒引当金の修正

次に、P社が残りの2,000円を保有しているため、この金額に対して貸倒引当金を修正する必要があります。P社が5%の貸倒引当金を設定しているため、残額2,000円に対して100円の貸倒引当金を修正します。

(借)貸倒引当金 100  (貸)貸倒引当金繰入 100

これにより、P社が保有する受取手形に関連する貸倒引当金が修正されます。

3. 銀行で割引かれた部分の処理

次に、P社が銀行で8,000円を割引き、残りの2,000円を保有している場合、銀行からの借り入れとして処理します。ここでは、8,000円が銀行から借り入れた金額として扱われます。そのため、以下のように仕訳を行います。

(借)受取手形 8,000  (貸)借入金 8,000

これにより、銀行からの借入金として8,000円の記録がなされます。

4. 最終的な連結修正仕訳

最終的な連結修正仕訳として、以下の仕訳が行われます。ここでは、受取手形2,000円と借入金8,000円の処理が反映されています。

(借)支払手形 10,000
(貸)受取手形 2,000  借入金 8,000

(借)貸倒引当金 100
(貸)貸倒引当金繰入 100

この仕訳によって、S社とP社の取引が適切に処理され、連結財務諸表上の債権債務が適切に反映されます。

5. 受取手形2,000円の仕訳が発生する理由

「受取手形2,000円」が貸方に計上される理由についてですが、最初に振り出された手形10,000円のうち、8,000円が銀行に割り引かれ、残りの2,000円がP社に保有されるためです。このため、連結仕訳では、S社の支払手形とP社の受取手形が相殺されますが、2,000円についてはP社に残るため、受取手形2,000円として貸方に計上されます。

6. まとめ

今回の質問における連結会計の仕訳は、少し複雑に見えるかもしれませんが、順を追って理解すれば問題なく解ける内容です。最初の相殺仕訳から始まり、貸倒引当金の修正、銀行割引分の処理といった流れを整理してみましょう。これにより、連結財務諸表における取引処理を正確に行うことができます。

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